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Frank Zappa
"Hot Rats" ('69)
Frank Zappa単体名義としては初めてのアルバムになるのかな?Ian Underwood(key、管)を相棒にJohn Guerin(ds)、Paul Humphrey(ds)、Ron Selico(ds)にMax Bennett(b)、更に何とShuggy Otis(b)まで引っ張っている。そして、Sugar Cane HarrisとJean Luc Pontyというヴァイオリニストとでこの録音に臨んでいる。冒頭の”Peaches En Regalia”や”Son of Mr.Green Genes”を聴くと後のMats & MorganやSamlaあたりのメロディーセンスの出自が聴こえる。ちんどん屋ロック。そして元FamilyのRogar Chapmanと双璧をなすロック界随一塩辛いヴォーカリスト牛心隊長ことCaptain Beefheartがヴォーカルを担当する”Willie the Pimp”。ギスギスしたカントリーブルーズっぽいSugar Cane Harrisのエレクトリックヴァイオリンの響きがCaptain Beefheartに負けていない。そしてFrank Zappaの伸びやかなギターを堪能することも出来る。ハードボイルド的な匂いを持つジャズロック”Little Umbrellas”に続くのは「テイク2」という声から始まる長尺曲”The Gumbo Variations”(17分弱)は前半は管が、後半はヴァイオリン、ギターが曲を引っ張っていく構成。プレイの押収にまるで目の前でプレイを聴いているような錯覚を覚える。そして、スマートなジャズっぽいピアノが流れてきたと思うと後ろで小刻みに叩かれているドラムからどんどんズレを生んで他に伝播していく。幾何学模様的楽曲。このアルバム、Beatlesの”Abbey Road”アルバムと同じ時期ぐらいに製作されていたようだが、当時Beatlesが8トラックを使用していたのに対してFrank Zappaは16トラックを使っていたらしい。ジャケットには”This Movie for Your Ears”の文字が。エンジョイ。
The Zombies "Odessey & Oracle" ('68) Rod Argent(key、vo)、Chris White(b、vo)、Colin Blunstone (vo)、Paul Atkinson(g)、Hugh Grundy(ds)からなるThe Zombies最後のアルバム。サイケを基調としながらもハードな音像を持ち、キャッチーなコーラス、メロディアスで時にクラシカルなキーボード群(勿論メロトロンも)が特徴。このアルバムで最も有名なのはやはりシングル・カットされた"Time the Season"だろう。日本でも近年CMで使用され、多少話題になったのは記憶に新しい。アメリカではAl Kooperが強力にプッシュしシングル・カットされたが、このアルバム自体が既に解散宣言としての役割を持ったアルバムだった。ジャケット通りのカラフルな曲が12曲並ぶ。今日まで生き残ったという事実そのものがこのアルバムのクォリティーそのものを証明している。ステレオ・ヴァージョンとモノ・ヴァージョン+別ミックス3曲を収めたBig Beat盤CDがお薦め。

 

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M.E.

 

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