Simon Steensland



Simon Steensland

The Zombie Hunter ('95)シアターミュージックを中心に創作活動をしてきたSimon Steensland。大概の楽器を一人でこなす事が出来るにも関わらず、このスタジオ盤ではJoachim Marsh(g 元Spellbound 現在はGlenn Hughesとの活動が一番有名かな?Tomas Bodinの作品にも参加)、Pelle Halvarsson(b Simon SteenslandとはGreat Learning Orchestra等で共演経験有り。RagnarokのPeter Bryngelssonのアヴァン・ポップロック・グループAstroturfにも参加)、Mats&Morganのお二人を迎えている。ケオティックなノイズの洪水。絡み付く不協和音。メタリックな質感を持つパーカッション。反復するアコーディオンのメロディー。隙間を埋めるように叩かれるマリンバ。掴み所のないような感じもするのだが、ノイジーな音が好きなら試してみるのも一興かもしれない。
Sten Sandell Simon Steensland "Under Oknar (Ranko Rednu)" ('97)Sten Sandell(vo、keys、perc等)とSimon Steensland(b、keys、perc等)がMats&Morganの両者とAmit Sen(cello Gerry Hemingway Quintet等に参加)、Svante Drake(mouth drums)の参加協力を得て、仕上げた作品。各トラックそれぞれに独立した曲名はあるものの、全12曲、"Under Oknar" Part 1〜12と繋げられている(表題の意味は"Under Deserts")。この作品で、一際目立つのは、やはりSten Standellのヴォイシングだろう。陰鬱で呪術的なお経のような声を披露。同様にSvante Drakeのマウスドラム(ヴォイスパーカッションとも呼ばれる)の声が入る曲では、Sten Standellの声と相まって、非常にインパクトの強い世界を提示している。Morgan Ågrenのドラムが入ると、やはり曲の表情はがらりと変わるが、全体的に陰鬱で、ずりずりと這いずり回る音に支配されている。どこかオカルティックでケオティック。まるでホラー映画のようだ。
Led Circus ('99)スウェーデンの人はサーカスというモチーフが好きな人が多い気がする…。「鉛のサーカス」と題された今作では、CDブックレットの中にバベルの塔の絵やCDの面に十字架にはりつけられた男の写真があったりと、どこか宗教的な物を感じる。それを示唆するように16分にも及ぶオープニングナンバーは"Instant Jesus"と題されたもの。混沌な音世界の中に叫び声が木霊する序盤から、たゆたうようなアコーディオンサウンドが静の世界を描くがどこか狂気じみたものを感じさせる。Morgan Ågren、Mats Oberg(keyソロ)、Mats Gustafsson(sax)、Agneta Hellstrom(recorder、flute)が参加。Simon Steenslandは羅列したらきりが無いくらいの楽器をこなしています。Mats Obergのソロは一発でそれと判るサウンド。そこに被さるようにMorgan Agrenのアグレッシブなドラミングが上乗りされていく。Mikke Ronnkvistのギターソロも秀逸。Joakim JJ Marsh(g)は"Psychlone"でSimon Steenslandのみが作り上げた音にソロだけ提供している。全体的にアコーディオンのサウンドを基盤に作り上げているようだ。アルバム中に出てくる即興パートの混沌さは何処かKing Crimsonのそれを思い起こさせる。"Angel without Eyes"のみMikke Ronnkvistが共同でアレンジに関わっている以外はSimon Steenslandの作曲によるもの。
The Phantom of the Theatre ('01)93年から01年にかけて上演された、シェイクスピアの「ヘンリー6世」を含む演劇10作からチョイスされた全36曲。1分に満たない物も多く、その他は2、3分台のもの。そんな中、26曲目、6分台の"Summer Night"と題された曲は、どの劇にも使われなかったトラック。但し、Simon Steenslandには非常に意味のあるトラックのようで、これからも劇には使われることはないだろうとのこと。Robert Frippばりのサウンドスケープにホラー的、というか暗黒風味を加味した感じ。このトラックに代表されるように、どこか薄暗い、陰鬱なピースが多い。Morgan Ågren(ds)を始め(クレジットはないが、自身のHPでは参加したとある)、Jonas Knutsson(sax)、Pelle Halvarsson(cello)、Arvid Petterson(key)等8名程が参加。
Fat Again ('09)冒頭の"Der Klang Von "Musik""(16:13)、中間の"Hide & Seek"(8:26)に最後の"The Lion Tamer"(20:23)の3つのトラックを主軸にした構成を持つアルバム。それ以外の7つのトラックは30秒弱の瞬間的なトラックが2曲、残りは2分半程度のもので占められている。Morgan Ågren(ds)が全面的に参加。 Einar Baldursson(g Gösta Berlings Saga)、Robert Elovsson(key)、Arivd Pettersson(fender rhodes)などが参加。またヴォーカリストを多数起用している。女性ヴォーカリストを多数用意した"Merde!"や"petite merde"はMagmaを思い出させる。"Fräls Oss Ifran Ondo"(我等を悪より救い給え)はタイトル通り聖歌っぽい。一番近いのはMats & Morganのような決して暗くならない混沌さ、ということだろうか。Frank ZappaやSamlaの持っていたユーモアの精神が継承されているからかもしれない。



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