Jonas Hellborg and Related





Jonas Hellborg

Elegant Punk 2nd Solo Bass Album ('84)タイトルが示すように基本的にベースのみを使った作品。但し、この作品ではMidi等の飛び道具は一切ナシ。Jimi Hendrixの"Little Wing"やMiles Daviesの"Blue in Green"のカバーを含む。"Elegant Punk for Guitars"はタイトル通り、12弦アコースティックギターを4本使った作品。それ以外はベース音にとことん拘った作品。基本的にメローなナンバーが続くのだが、どことなく香るダンディーな所がナカナカ。"It's a Pit, Slight Return"(狙い過ぎだってーの!)のようにチョッパー全開、ハードな曲もあるにはあるのだが、何か、ハードボイルドの探偵小説でも読んでいる気分にさせられる、男っぽさがある。エレガントでパンク。良いじゃない?そうでありたい、と切に思うな…。
Bass ('88)Jonas Hellborg流ロックアルバム。Robert Blennerhed(g)、Bernie Warrell(key)、Ginger Baker(ds)、Bernard Fowler(vo)、Kader(vo、perc)、Danny Gottlieb(ele. ds セッション多数)で制作される。冒頭はLeon Russellの珠玉のバラード"Song for You"をベースとヴォーカルのみで聴かせると、トライバルなドラミングが印象的な"No Place to Go"へと(シンセで作っているんだろうけど、スティールドラムのような音も聴こえる)。Robert Blennerhedのギターが吠えるJonas Hellborg流ハードロック"Moby Dick"。Kaderの呻き声をフィーチャーした不思議な空間を作る"Choui"。オルガンが作るサウンドスケープに即興的なベースラインが乗る"Moon"、シンセドラムにハードなギター、多様なパーカッションが乗る"Jaco"。そしてベースソロで奏でるJohn McLaughlinの"Blues for LW"(オリジナルは83年作の"Music Spoken Here")から全編チョッパーベースで覆い尽くされた"Woke Up with a Train in My Garden"へと続く。John McLaughlinがZakir Hussainの"Making Music"の為に作ったバラード"Zakir"からJonas Hellborg流ECMとでも言えそうな流麗なストリングス系シンセが美しい"Shine"。最後にまるでJames Brownのようなファンキーなノリで聴かせる"Movers and Shakers"で締め括っている。ここにはJonas Hellborgのロックが詰め込まれている。そんなアルバムである。
Axis ('88)Jonas Hellborg(b)、Anton Fier(ds)、Bernie Worrell(key)、Bernard Fowler(vo)というのが基本的な布陣。プログレっぽいオルガン・サウンドのオープニングから、まるでGlenn Hughesのような喉を披露するBernard Fowlerのシャウトが炸裂ハードロック・ナンバー"Touch My Soul"から始まる。"Definer of Out"のピアノ・ソロはMahavishnu時代の盟友Mitchel Formanがジャジーに弾きこなす。後のGinger BakerとJens Johanssonとのトリオを思わせる曲。Cindy Shrieveがヴォーカルを取る"What can I Say"はしっとりと聴かせるジャズ・ヴォーカル・ナンバー。ライブっぽい仕上がりになっている。Anyca Hagbergがヴォーカルを取る"Money Talk"はファンキーなリズムをベースにダンサンブルなデジタル・ビートが絡む曲。続く"You Want Me"はDanny GottliebのシンバルとJonas Hellborgのベースが静かに鳴り響く曲。"No.5"はCindy ShrieveとBernard Fowlerのデュエットが聴ける曲。前半はダンサンブルでソウルフルな曲から後半はまるでギターが咆哮をあげるかのようなJonas Hellborgのベースが活躍する。最後はAnton FierのドラムとJonas Hellborgのベースのみの即興っぽいインスト曲。相変わらずの多彩なアルバム。
Adfa ('89)Ulf Wakenius(g 1-3)、Robert Blennerhed(g 4、5、7、8)、Trilok Gurtu(ds、tabla)、Jaime Salazar(ds 1-4)というプレイヤーを迎えて制作されたJonas Hellborg(b、key)のアルバム。Jaime Salazarが参加しているトラックは次作に続くような音楽性を持っている。特筆すべきはTrilok Gurtuの参加だろう。同年のTrilok Gurtuのソロ"Usfret"にJonas Hellborgが参加しているところを見ると、お互いに手を貸し合った、という事だろうか。後半はアコースティックを基調としたシリアスなジャズロック。即興的要素が強まっているのか、奔放なプレイの応酬が聴ける。MahavishunuからキャリアをスタートさせたJonas HellborgにとってTrilok Gurtuとの出会いは必然だったのかもしれない。
Jonas Hellborg Group ('90)Jonas Hellborg(b)、Anders Nord(b)、Jaime Salazar(ds)というトリオ編成による録音。Jonas Hellborg、Anders Nord共にベースだと言ってなめてかかっちゃいけない。Jonas HellborgはWal社のWネックのMidiベース、Anders NordはWal社4弦、5弦、10弦で臨んでいる。Jaime SalazarもDDRUMS(エレクトリックドラム)を使用。出てくる音はベースじゃないです、こんなん。ハード&ヘビーにエキセントリック&アヴァンギャルド。オープニングの"Look"から疾走感溢れる暴走チューン。基調にジャズ・フュージョンがあるのは判るがそれ以上のサウンド。アティテュードはパンクですな。
The Silent Life ('91)アコースティック・ベースのみによる作品。再び取り上げているJohn McLaughlinの"Blues for LW"以外は全曲Jonas Hellborgによる作曲。スラッピングや高速プレイを交えながらメロディアスに弾き倒す様が圧巻。決してアメリカっぽい都会的なグルーヴを持たないのがこの人の特徴の一つだろうか。ギトギトせず、油っこくない。どこか清冽な印象を持たせるのは、プレイのみならず、この人の思想的な側面もあるのだろうか?"You have to Die to Live"や"Verbal Sin"のように東洋的な印象を持つ曲もある。ベースらしくない音はどこか筝や三味線のように聴こえる。全編を通して緩急つけたプレイは、一音一音大切にするプレイヤーとしてのストイックなまでの音への拘りを感じる。圧巻は最後の"Deep Pig"だろうか。イントロから始まる静への渇望とまでいえる音作りが素晴らしい。
"The Word" ('91)今作ではJonas Hellborgはアコースティック・ベース一本のみ。相方にTony Williams(ds)そして、David Soldier(vln)率いるSoldier String Quartet(Laura Seaton; 1st vln、Ron Lawrence; viola、Marry Wooten; cello)を全編にフィーチャーした意欲作(ストリング・アレンジも全てJonas Hellborgによるもの)。54秒という短いオープニングの"Akasha"でSoldier String Quartetの弦楽四重奏を紹介して、激しい"Zat"に入りヴィオリンを中心に弦とドラムのバトルが始まる。そして、"Saut-E Sarmad"で細かいシンバル・ワークを聴かせながらジャジーなインタープレイをJonas HellborgとTony Williamsと展開させる間、Soldier String Quartetが優雅にサウンドを埋めていく。"Poets"と"Black Rite"はJonas HellborgとTony Williamsとの共作。後者はどこか"Norwegian Wood"を思い起こさせるメロディーを持つ。そして更にJimi Hendrixの未発表曲"Chrokee Mist"のカヴァーを挿入。プロデュースはJonas HellborgとBill Laswell。Jonas Hellborgの音楽に対する貪欲さを示す一例。刺激的な作品である。
Jonas Hellborg Group featuring Anders Johansson and Jens Johansson
"e" ('95)
Jens Johanssonの"Fjaderlosa Tvafotingar"と表裏一体と位置付けられるだろうアルバム。作曲はHellborg主導。このアルバムではJens Johanssonはオルガンを担当(そう言えば、Yngwie Malmsteenってオルガンサウンドは嫌いって言っていたのを読んだ記憶があるな…)。オルガンはブルージーで、ベースはファンキー、ドラムはひたすらハードで複雑。3者3様、影響を受けた音が全て乱雑でいながら、構築性を持って繋げられた楽曲が並ぶ。youtubeでAnders Johanssonが上げた映像では既に89年にはステージで演奏が繰り広げられていたところを見ると、それなりの年月を掛けてシェイプアップされたものなんだろう(単にスケジュールの問題もあっただろうが)。冗談なのか本気なのか、最後に収められたロシア風の美しい小曲"Sovjet"(作曲クレジットはマルクスにレーニンって…)で締めくくられる。謎だ。
Jonas Hellborg with Shawn Lane and Kofi Baker
"Abstract Logic" ('95)
親父と演ってみたら、息子はどんなモンかとチェックしてみたいのかもしれない、な盤。Ginger Bakerの息子Kofi Bakerを迎えShawn Lane(g)とのトリオ録音。目玉はやっぱりShawn Laneのハード&トリッキーなプレイでしょうか。全7曲で、真ん中に据えられている3曲でそれぞれ3人の作曲で占められ、残りはトリオでの作曲となっている。まずShawn Lane作曲の"Pluie de Etincelles"はピアノによる小曲。これはShawn Laneによるものなのかな?クレジットがないので判りませんが、まず間違いないんじゃないかな?ギター同様、中々トリッキーなフレーズが出てきます。Jonas Hellborg作の"Layla Attar"(狙っているのか?)はベースのみの曲。Jonas Hellborgらしいメロディアスな作品(この人はメロディー志向強いですよ)。表題曲の"Abstract Logic"はKofi Baker作。インド風味をまぶしたアンビエントなオープニングで始まる美しいメロディーを持つ愛すべき曲。それぞれのキャラクターを中心に添えたアルバムと言えるでしょう。
Jonas Hellborg with Glen Velez
"Ars Moriende" ('95)
テキサス出身のメキシコ系パーカッショニストGlen Velez(frame ds他)との共演盤。名手Glen Velezはソロも多く、活動も多岐に渡っており、フレームドラム等も自身のデザインの物を作っている。このアルバムではJonas HellborgはOvation社とWecther社のアコースティック・ベースギターを使用。繊細な音作りがなされていて、その上にGlen Velezのフレームドラムを中心としたパーカッション類が乗る、という感じを受ける。作曲は全てJonas Hellborg。"Ritual Love-Death"(32:38)、"Stars of the Morning Sky"(8:24)、"Regicide"(23:10)の全3曲。じっくりと浸ってみたい味わい深い作品。タイトルはラテン語らしいのだが、"Moriende"という単語が判らず(誰かご存知の方がいましたら、ご一報下さい)。近い言葉だと"Mort"があるけど…。どうかな?1曲目のタイトルを見るとあながち遠からず、近からず、という感じもするけど…。
Hellborg + Buckethead + Shrieve
"Octave of the Holy Innocents" ('95)
Jonas Hellborg当たり年の95年。ジャケットは03年にリマスターされたもの。 Jonas Hellborg(b、key)、Buckethead(g)、Michael Shrieve(ds)というアコースティックトリオ。Michael Shrieveはエレクトリックも使っているかもしれない。いつもの事だが、アコースティックだからと言って、緩くなるはずもなく。緊張感の高い演奏が目白押し。3者3様、お互いのプレイの狭間を縫うように音を絡めて行く様は圧巻以外の何者でもない。Bucketheadというと、その風貌やパフォーマンスから色物的に見られがちだが、これは凄い。15分ある1曲目"Rana and Fara"の中間部でのJonas Hellborgとのバトルは聴き物。およそ、Jonas Hellborgのアルバムでメロディアスという単語はあまり出て来ないと思うのだが、このアルバムは全体を覆うメロディーが秀逸。サウンドクリエイターとしての側面の強いMichael Shrieveも、ここでは1プレイヤーとして、プレイに専念している。"Child King"等の肌理の細かいプレイ等に息を飲む。全5曲。作曲は全てJonas Hellborg。
Hellborg / Lane / Selvaganesh
"Good People in Times of Evil" ('00)
パーカッション奏者V.Selvaganeshを迎えて制作されたアルバム。軸となるのは、あくまでもJonas HellborgとShawn Laneの弦楽隊。冒頭の"Aga of the Ladies"などではShawn LaneのミニマルなギターフレーズがRobert Frippのサウンドを思い起させると同時に自由奔放にジャジーなサウンドのソロを、あたかも回転螺旋を駆け巡るように昇華させていく様が圧巻。V.Selvaganeshのウドゥ独特の響きとカンジーラと呼ばれる乾いた音を出すフレームドラムの対比が聴き所かな?"Bhakti Ras"ではUstad Sultan Khanがサランギ(ネパールの弦楽器/ヴァイオリンの祖と呼ばれているらしい)で参加。作曲にもクレジットされている。インドやネパールの音楽に明るい訳ではないので、何とも言えませんが、音楽性そのものは、あくまでもJonas Hellborgのそれに聴こえる。 そこにインドやネパールの民族楽器を擁することで、新しい輝きを持たせているように聴こえる。そんな作品。
Hellborg / Lane / Selvaganesh / Umashankar / Umamahesh
"Icon" ('02)
タイトル通りのキリスト絵の版画のようなジャケットが印象的なアルバム。但し、ここで言う"Icon"とはキリスト教会で言うところのものとはちょっと違うようだ。副題に"A Transcontinental Gathering"とあるのは、正にこの組合せを言い表したものだろう。Shawn Lane(g)の参加はいつも通りだが、このアルバムではJohn McLaughlinのShaktiに参加していたT H "Vikku" Vinayakramの息子であるV Selvaganesh(perc.)を始めV Umashankar(perc.)とV.Umamahesh(vo)というインドミュージシャンを迎えており、あたかもJonas Hellborg版Shaktiの様相を呈している。楽曲は全てJonas HellborgとSelvaganeshの手による全4曲。V.Umamaheshのボーカルはリズミカルで詠唱的。呼応するかのようにインドミュージシャン組のkanjeeraというフレームドラム等を使ったパーカッション類が重なると、どこか、儀式的な様式を感じさせる。
Kali's Son ('05)Selvaganesh(kanjeera)とNiladri Kumar(zitar/sitar)とのトリオ盤。タイトルが示唆するのは破壊神カリ神のことでしょう…。ただ、その息子たち、というと…。あるね…確かに。宗教談義は好きじゃないけど。それがサウンドに確かに現れているのかもしれない。Jonas Hellborgは常に単なるイースト・ミーツ・ウェスト的な短絡なサウンドは出してこなかった。そして、こういったインド物をプレイする時、一ベースプレイヤーに拘ってもいる。アルバムが進むに連れて上がっていく異様なテンションの高さは何なんだろう?Shawn Laneを失ってから、新しい自身の音楽観を総括するかのように。最後の"Brightness"の持つ音は呪術的で、トランス的でさえある。まずは聴かなければならない。説明などを拒否するアルバム。そんな風に聴こえる。
Art Metal "Vyakhyan-Kar" ('07)Jonas Hellborgが仕掛けた新しいプロジェクト。当初は元The Flower KingsのドラマーZoltan Csorszを含むトリオ編成でライブツアーをMattias lE Eklund(g)と敢行。欧州を中心に回っていた。最終的には、このアルバムでは旧知の間柄であるAnders Johansson(ds)とJens Johansson(key)とカンジーラ奏者のSelvaganeshを起用するに到る。タイトでソリッドなAnders Johanssonのプレイを中心にMattias lE EklundhのプレイはFreak Kitchenやソロワークでお馴染みの引っ掻くような特徴あるサウンドが聴ける。"e"ではオルガン主体でプレイをしていたJens Johanssonも、ここでは自身のソロのようにフリーキーなシンセソロなどを聴かせる所は流石。皮の音が心地良い、肌理の細かいSelvaganeshのカンジーラのサウンドが良い。"Nataraja"のように中国っぽいサウンドも聴けるのが本作の特徴だろうか。"Vyakhyan-Kar"のみSelvaganeshのカンジーラが入っていないのは、不思議(どうやら、インドへ行く前に仕上げてしまったようだ)。特にこの"Vyakhyan-Kar"という言葉がヒンドゥーでは吟遊詩人を指す言葉らしいので、尚更。



Selected Other Works

Mahavishnu Orchestra
"Mahavishnu" ('84)
再編MahavishnuにJonas Hellborgは、Billy Cobham(ds)、Bill Evans(sax)、Mithcell Forman(key)と共に呼ばれ、アルバム制作に入る。ゲストにDanny Gottlieb(perc)、Katia Labeque(key)とHari Prasad Chauraia&Zakir Hassain(perc)が"When Blue Turns Gold"(アルバム最後の曲)に参加。John McLaughlinは、このアルバムではテクノロジーに興味があったみたいで、Synclavier IIやDigital Guitarを使用。その音の持つ質感からか、このラインナップはElegant Mahavishnuと後に呼ばれる事になる程、涼しげで流麗な響きを持つ。"Nightriders"や"Clarendon Hills"のような、ある意味、非常にシンフォ的な曲もある。それにしても、裏ジャケにある、挑発的な鋭い眼光を持つJonas HellborgのPunkなやんちゃ小僧ぶりが良い。プレイはこれから、って感じですけどね。
John McLaughlin and Mahavishnu
"Adventures in Radioland" ('87)
ジャズ/フュージョン界において、最もロック的マインド、サウンドを持つギタリスト(だと思う)、John McLaughlin。今のところ、彼の霊的な名前であるMahavishnuを名乗った最後の作品となっている。ドラマーがDanny Gottliebに代わり、Abraham Wechter(acc.g)が加入。時代柄、シンセの音やエレクトリックドラムの音、synclavierなどの今となっては多少古臭く聞こえる音が不快に感じる人もいるかもしれない。それでも、その音を吹き飛ばすように、プレイそのものは非常に伸び伸びとしている。特にBill EvansのサックスやJohn McLaughlinとMitchel Formanの掛け合いは聞きどころの一つだろう。Jonas Hellborgは、"Reincarnation"で温かみのあるサウンドを奏でている。
Deadline
"Dissident" ('91)
聴いた事がないので、判らないのだがBill Laswell(b)の主導で"Down by Law"('85)という作品が残されているが、これは、その第2弾と考えて良いのだろうか?今回はDay Eightからリリース、作曲も全てにJonas Hellborgが関わっており、Jonas Hellborg色が強いようだ(前作には不参加)。特筆すべきは、Bootsy Collins(b 元P-Funk等)、Bill Laswell、Jonas Hellborgの3人のベーシストがクレジットされている事なのだが、3人とも飛び道具が得意そうなんで、どの音が誰だかよく判らない…。その他にはkeyにJens JohanssonとBernie Worrell、Nicky Skopelitis(fairlight)とAiyb Dieng(perc)が参加。音像は空間のあるサウンドスケープにメタルパーカッション等を中心とした、ある種アンビエント色の強い作風。
Jens Johansson
"Fjaderlosa Tvafotingar" ('91)
Silver Mountain、Yngwie Malmsteenと北欧メタル界では有名なJens Johanssonの1stソロは兄Anders Johansson(D-ds)とJonas Hellborg(b)とのトリオ編成での録音となった。邦題は「飛べない創造物」(確か原題訳が「翼のない生き物」とかそんな物だった記憶が…間違っているかもしれませんが)。"A Mote in God's Eye"(12:52)、"In Transit"(13:48)、"Megiddo"(10:03)、"Semaphores"(8:35)の全4曲。作曲は全てJens Johanssonの手によるもの。構想はDio在籍中からあったものらしい。これが頭の中で鳴っていたんでは、さすがにDioで流してしまったとしても、それは仕方のないというものだ。構築美にこだわったというだけあって、全くの隙のない計算され尽くされた作りになっている。それはオープニングナンバーを聴けば明かだろう。正に緻密という言葉が相応しいテクニカルなシンフォニックロック。最後にはアヴァンロック。これがまた…。これも作曲されているのか?
Ginger Baker with Jens Johansson and Jonas Hellborg
"Unseen Rain" ('92)
こちらを参照して下さい。
RAF
"Ode to a Tractor" ('92)
Jamal Evans(perc等)、Jens Johansson(key)、Peter Brotzman(sax)、Bill Laswell(b)、Anders Johansson(ds)、Otto von Waldenburg(g…らしいけど…誰?って感じです)、Jonas Hellborg(b)という面子で構成されたプロジェクト作。このディスクではJamel Evansの武器は特にメタル・パーカッションで、耳に痛い音を出している(マルチ・ミュージシャンとして名を馳せている人なので、色々と音を入れていそう)。詳しいクレジットが書いてないので、不明な部分が多いディスクである。冒頭にクレジットが来ているだけあって、Jamel Evansのプレイは随所に使われているようだ。Peter Brotzmanは作曲クレジットのある"Suburb of Hell"のみの参加のよう。エフェクトのかかったサックスがブローしまくる。特筆すべきは、Anders Johanssonの足技。メタル・フィールドでの活躍ばかりが注目されているが、こういったアヴァンギャルド系のディスクで、こういうキックの仕方もあり、というのは結構、新鮮かもしれない。Anders Johanssonのファンは要注目作品である。全曲でJonas Hellborgが作曲に関わり、プロデュースを行っている。それにしても、ヤバそうなジャケットである。
Shining Path
"No Other World" ('92)
Jonas HellborgがGary Mudbone Cooper(vo 元Funkadelic/Parliament)にJens(key)、Anders(ds)のJohansson兄弟と組んだバンド名義のハードロック/ヘヴィーメタル・アルバム(というかスラッシュメタル?)。Jens Johanssonのオルガンサウンドが曲のイニシアティブを取るハードロックな佳曲"Freedom"から幕を開ける。ムーディーに歌うGary Mudbone Cooperの声も悪くない。所謂クラシックロックの王道路線。但し、それもこの冒頭のみ。続いては、Anders Johanssonの疾走感のあるキックが盛り上げるスピーディーなメタルから、後半はJonas Hellborgの高速ベースを基調としたパートへと移る2部構成のような曲。"They may be Blind"はGary Mudbone Cooperの歌い方や曲調から、どこかDavid Bowie的なアヴァン・ポップ的なものを併せ持つアヴァン・メタル。後半は、アジテーションヴォーカルをフィーチャーするスラッシュ系チューンが目白押し。"Wrath of Dog"は打ち込み系シンセドラムっぽい音に支配された曲にアジテーションっぽいシャウトが乗る、という感じ。オープニングと、その他の曲とのギャップが凄い。どれも格好良いことには変わりないんだけど。危ないジャケットその2である。
Michael Shrieve
"Two Doors in the Palace of Dreams" ('95)
CMPから出されたMichael Shrieve(ds 元Santana)のソロ。Michael Shrieveのソロ作はこれまでにもKlauz Shulze、Andy Summers、David Tornと相方を変えて1ドラマー以上にミュージシャンとしてのスタンスでソロを出して来た事は有名。このアルバムでは2つのユニットで録音されたものをまとめたもの。前半"Deep Umbra"(全8曲)と題され、Shawn Lane(g)とJonas Hellborg(b)とのトリオ。後半"Flying Polly"(全11曲)はBill Friesel(g)とWayne Horvitz(organ Naked City等)とのトリオ。前半はShawn Laneのテクニカルなギターを全面に押し出したジャズロック作品。"The Smiling Tarshishm"(パーカッション類を多用した作品)のみMichael Shrieve作曲。その他の楽曲では殆どLane/Hellborgの手によるもので、Michael Shrieveの信頼の厚さが伺える。対して後半はカバーを除く全ての曲でMichael Shrieveが関わっている。こちらは"Stella"(7分強)と"Queen Bee"(12分)を柱に1分前後の曲を集めたもの。時にパーカッシブに響くBill FrisellのギターにWayne Horvitzが気ままに音を乗せて行く感じ。こちらは更にジャジー。カバーは何とTemple of the Dogの"Your Saviour"(!)。敢えて、こちらのユニットでこれを演るところが…。Michael Shrieveの視野の広さが伺える。



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