Par Lindh

Par Lindh Project "Gothic Impressions" ('94) Par Lindhは元々クラシックのコンサートピアニストという肩書きを持っていたよう。その一方で91年にSweden Art Rock Societyなる組織を始め、プログレッシブロックシーンの牽引車としても活動し、その後自身のレーベルCrimsonic Labelを立ち上げる。"Gothic Impressions"はそのレーベルからの第1弾。Par Lindhはベース、ドラム、パーカッションやヴィンテージ・キーボードを操りアルバムを製作。更にチャーチオルガン、ハープシコード、グランドピアノを使い、アルバムの重厚さに拍車をかけ、タイトル通りのゴシック様式を見事に描ききっている。豊富な人脈を使い、このアルバムでも多くのヘルプを呼びかけている。まず、ミキシングエンジニアにRoine Stoltを起用し、さらに"Green Meadow Lands"でアコースティックギターでも参加。後にPar Lindh Projectに帯同することになるJocke Ramsell(g)はメタルバンド出身だったはず…。AnglagardからJohan Hogberg(b)、Mattias Olsson(ds)、Jonas Engdegard(g)、Anna Holmgren(flute)が参加。Vo陣にRalf Glasz、Mathias Jonsson、後にPar Lindh Projectに継続的に参加することになるMagdalena Hagberg。そこに、Hakan Ljung(lute)、Bjorn Johansson(classical g、basson、tinwhistle)というアコースティック色を重ねることで、サウンドにこれでもか、というぐらいの厚みを持たせる。その厚みも、サウンドも、沢山の音が重ねられているようだが、全てに必然性が感じられるため、説得力はある。最後にムソルグスキーの「禿山の一夜」のカバー(?)を収録。
Par Lindh Bjorn Johansson "Bilbo Music Inspired by J.R.R.Tolkiens "The Hobbit"" ('96) Par LindhとPar Lindh Projectの1stにも参加していたクラシカルギターを中心にプレイするBjorn Johansson連名による作品。両者ともマルチインストルメンタリストらしく多数の楽器を使っている。タイトル通り、トールキンの「指輪物語」の前日譚にあたる「ホビットの冒険」をモチーフに作られた。Par Lindhの持つ重厚なクラシカル趣味とBjorn Johanssonのフォークを土台とした音楽性のマッチングという感があり、その折合いやベクトルの差異などで、出てくるサウンドの妙があるように感じられる。フルート、オーボエといった管にAnna Schmidtzを起用。Par Lindh ProjectからMagdalena Hagberg(vo)が参加。華を添えている。
Par Lindh Project "Mundus Incompertus" ('97) ミニアルバム"Rondo"を挟んで発表された2nd。ラテン語のタイトル、ジャケットの彫刻からして好き者の期待を裏切らない内容であることは明白。そのラテン語のタイトル曲(意味は多分、「無秩序の世界」のような意味だと思うけど…自信ないです)は13のセクションからなる26分にも及ぶ大作。前作からMagdalena Hagberg(vo)とJocke Ramsell(g)が参加。Nisse Bielfeld(ds)とMarcus Jaderholm(b)というリズム隊を迎える。やはり、バンド形態からか、前作よりもシャープになったサウンドの引き締まりを感じる。そういう意味では、Par Lindhのやりたい音に、こういったハードでテクニクカルなバックというのは合っているのかもしれない。Emerson、Lake & Palmerがよく引き合いに出されるが、クラシカルでプログレっぽい展開よりもちょっとしたジャムっぽい箇所やホンキートンク調に転がるところに「似ているなぁ」などと思ってしまう。
Par Lindh Project "Veni, Vidi, Vici" ('01) Jonas Reingold(b)、John Hermansen(g もしかしたらMother Miseryの人と同じかも?)を迎えて制作された巨人キーボーダーPar Lindh(別名プログレ巨神兵)率いるPar Lindh Projectスタジオ盤3rd。「来た、見た、勝った」というジュリアス・シーザーの言葉を冠したタイトル。因みにマル○ロの箱に描かれているエンブレムの中にも掘ってあるが、PLが喫煙家かどうだったかは覚えていない…。ハードエッジなクラシカル調な音楽性はしばしばELPの現代版として語られることが多い。オーケストレーションを配し、ドラマティックな構成を得意とするPar Lindh Project。そんな中、Jonas Reingoldはフレットレスを多用しているようで、膨らみのある音でアクセントを付けている。Magdalena Hagberg嬢のボーカルが入ると、3rd & the Mortalあたりを思い起こさせる。ゴシックですね。フルート奏者としてJens Johanssonという名前があるけど、いくら何でも同姓同名の別人でしょ?(未確認ですが…)日本盤にはボートラ"Independent"が入っている。
Par Lindh and Bjorn Johansson "Dreamsongs from Middle Earth Music Inspired by Lord of the Rings by J.R.R.Tolkien" ('04) Bjorn JohanssonとPar Lindhのプロジェクトの第2弾。前作同様にJ.R.R.Tolkienの今度は「指輪物語」そのものからインスパイアされて製作された。"Bilbo"より幾分、クラシカル音楽の重さが抜け、フォークロア中心の、よりドリーミーでファンタジックな世界を提示しているように聞こえる。本編は"Dream One"から"Dream Ten"まで10編に分けられた1曲。前作同様Par Lindh、Bjorn Johansson共に多数の楽器を担当。Magdalena Bergも同様にヴォーカリストとして参加。更に"Gothic Impressions"にも参加していたハープ奏者Lovisa Stenberg、トランペットにNiclas Blixt、トロンボーンにNisse Mannerfeldtといった管を擁する。"Dream Three"のみ、ベースにRoine Stolt(The Flower Kings)が参加。

 

Others

RFP "P.F.R" ('95) Jocke E Ramsell(g、b、harmonica)とNisse Bielfeld(vo、ds、p)によるメタル・プロジェクト・バンド。Par Lindhは"Gently"でハモンドを担当。"Worry"や"Fists with the Size of a Mans Thumb"はザクザクと切り込むリフを持つメタル・ソング。ヴォーカルはJames Hetfieldを思い起こさせる。"E-Thing"、"Wah - What?!"、"Liberty"はテクニカルなハイパワーなインスト曲。Par Lindhが参加した"Gently"は白蛇がカバーしたFleetwood Macの"Need Your Love So Bad"辺りを思い起こさせる曲。ブレスの仕方とかはDavid Coverdaleそっくり。続く"Sleepwalking in A Minor"はブルージーなインスト。こちらは"Is This Love"みたい。ヴォーカル曲は正直、何々風という困ったタイプが多いんだが、インスト曲はテクニカルでパワーがある良い曲が多い。
Bjorn Johansson "Discus Ursi" ('98) Par Lindhとコラボレート作があるBjorn Johanssonのソロ作。森の中の切株の上に座る6本腕の熊(?)のジャケットから判るように(判るか?)どこか牧歌的で、神秘的な音世界を連想させる。本作においてもマルチ・ミュージシャンぶりを発揮するBjorn Johanssonは特に管と弦においてその力を発揮している。Par Lindhは多彩なキーボード・ワークでその繊細さを感じさせる音世界に彩りを加えるのに一役買っている。"King of Gold"と"Pegasus"ではJohan ForsmanとMonika Forsがヴォーカルで参加。男声パートと女声パートを分け合っている。特にJohan Forsmanの声は静の部分ではJethro TullのIan Andersonを、シャウトの時はPeter Hammillを思い起こさせる。Mike Oldfield等に聴かれるような伝統音楽やクラシックといった要素を背景に持つシンフォニック・ロック。丁寧に紡ぎあげた作品、という印象。

 

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