Hasse Fröberg

Hasse Fröberg

Hasse Fröberg & Musical Companion "Future Past" ('10)Hasse Fröberg(vo、g)が満を持して発表したシンフォニック・スタイルのアルバム。個人的にはもっとストレートなブルーズロック系のアルバムが出来るかと思ってました。Spellbound時代の盟友Thomsson(b)とOla Strandberg(ds、perc.)というリズム隊を迎え、多数のセッション(Glenn HughesやMichael Schenker等)をこなしてきたKjell Haraldsson(key)にAnton Lidsjö(g)という布陣。The Flower Kings同様多彩な音楽的アイディアを詰め込んだアルバム。但し、そのサウンドはあくまでも中心となるのはギター、というのが肝だろうか。特にこの手のバンドでは滅多に聞く事が出来ないであろうツイン・リードがある意味このバンドを象徴付けているだろう(まるでThin Lizzy!)。子供の声が聴こえるSEから爽やかなアコースティック・ギターで始まる"Fallen Empire"の歌詞はオープニングのサウンドにそぐわないドキっとする程ストロングな歌詞。後半のギターの瀑布を浴びるようなパートが印象的。北欧ならではの歌詞の"Song for July"は秀逸なポップ・ソング。Kjell Haraldssonのピアノの音が良い。"Piece of the Sky"はまんまThe Flower Kingsのアルバムにあっても違和感のない大作。個人的に本作のハイライトとなるのが"I wouldn't Change a Thing"。Manfred Mann's Earth Bandを思わせるキーボード、パーカッション・パートの後のThin Lizzyバリのツイン・リードの高揚感、歌詞の持つ力強いメッセージ、Hasse Fröbergのシャウトと全てが揃っているバンドを代表する曲だろう。"Above"はハードなパートと静のパートの対比が素晴らしい。ここでもKjell Haraldssonのピアノがジャジーに大活躍。"The Ultimate Thrill"はハードロック・ソング。Hasse Fröbergのヴォーカルを堪能させる"Only Blood"でアルバムは締め括られる。シンフォニック・スタイルに拘ったゆえの冗長さは多少はあるかもしれない。これはHasse Fröbergが見せたThe Flower Kings出身というポジションを意識しながらも出した一つの回答。
Hasse Fröberg & Musical Companion "Powerplay" ('12)前作と同じラインナップによって作り上げられた2nd。共同プロデュースにThe Flower KingsのTomas Bodinを迎える。前作よりも更に「プログレたれ」を標榜しているように思えるような展開の多い冗長な曲が多く、聴きこまないと全体が把握しにくいところは確かにあるが聴き進めるとドンドンのめり込める完全なスルメ型。全体のサウンドはHasse Fröbergが好きであろう70年代っぽいオーガニックなサウンドが聴ける。特にプログレ、というよりはHumble PieやFreeのようなサウンド一つ一つが呼吸できるような隙間のあるサウンドに仕上げている。オープニングの"My River to Cross"はヘヴィなリフを多用しながらも随所にKjell Haraldssonのオルガン系のサウンドがガチンコでぶつかる。7分台後半のKeith Emersonバリのプレイは聴きもの。キャッチーなサビを持つ"The World Keeps Turning"や"Venice CA"はライブ映えする曲。前者は特にAnton Lidsjöのソロが白眉。"Is It Ever gonna Happen"もヘヴィなリフにキャッチーなコーラスというお得意のスタイルで聴き手をグイグイと引っ張っていく。特にコーラス部の後ろで鳴っているサウンドに聴き手を引き込ませる工夫があるように思える。レゲエっぽいセクションを挟んだかと思うと後半はヘヴィメタリックなサウンドでHasse Fröbergのヴォーカル・パフォーマンスもがっぷり四つを組むように相対する。"White Butterfly"はアコースティック主体の牧歌的ナンバー。こういうのがHasse Fröberg & Musical Companionの懐の深さだろう。続く"The Chosen Ones"は疾走感が心地よいナンバー。最後の"Godsong"はどこかQueen的なドラマティックさを感じさせる大仰なナンバー。コーラスもそれっぽい所があるなぁと思っていたら、リフとかギター・サウンドとかどんどんBrian Mayっぽくなってくる。ファンならニヤつくだろう。サウンド、プレイ・スタイル、構成と更に意欲的にバンドの持つ幅を広げさせようと感じさせる作品。



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