TFK Impro編



Impro

3rd World Electric "Kilimanjaro Secret Brew" ('09)Roine StoltとJonas Reingold主導による70'sスタイルのフュージョン・アルバム。Zoltan Csörsz(ds 8曲中5曲担当)、Lalle Larsson(key)といったお馴染みの名前からAyi Solomon(perc. Bentzon Brotherhood等)、Dave Weckl(ds Chick Corea等)、Karl Martin Almqvist(tenor、soprano sax)が参加。アフリカンでトロピカルで軽快なオープニングを持つ"Waterfront Migration"からグルーヴィーなサウンドが飛び出す。特にJonas Reingoldが作曲した"Capetown Traffic"や"Downbeat Dakar"といったところの迫力ある演奏が素晴らしい。Karl Martin Almqvistのサックスが前面に出ており、Roine Stoltはバッキングでグルーヴ担当というのも非常に珍しいと言えるだろう。Roine Stolt作曲の"Ode to Joe"ではギターさえ持っていないのだから。また所々でサウンドの広がりなどThe Flower Kingsを思わせる瞬間もあることにはある。自然と体が揺れる。
Anatholi Balkin Trio
"Initiation" ('99)
Anatholi Blukin(g)、Jonas Reingold(b)、Anders Hentze(ds)からなるトリオ編成のジャズ・アルバム。全曲、作曲はA.Bulkin。当然ながらギターが全面に出て来るが、落ち着いた雰囲気に包まれているアルバム。一部、トリオの掛け合い等も聴く事も出来るが、あくまでもギター中心。中にはギターシンセを使った曲等の試みも行っているが、特筆すべきアルバムという程のものではない。マニア向け…かな?
Bentzon Brotherhood
"Groove Emergence" ('00)
デンマークのジャズピアニストNikolaj Bentzon率いるBrotherhoodの3rdアルバム。このアルバムからZoltan Csörszが参加。他のメンバーはHenrik Sveidahl(sax)、Kaspar Vadsholt(b)、Soren Lee(g)、Rune Olsen(per)の他、Nicolai Schultz(flute)、Anders Lindvall(g)、Morten Gronvad(per)等がゲスト参加。ラップボーカル(Shaka Johnson)を5曲に配したグルーヴィーなヨーロピアン・ジャズ・ファンク。ある意味、欧州らしいスムースさとラップ等の現代的な語彙を掛合せたことで、興味深い音に仕上がっている。Zoltan Csörszのプレイを中心に聴いてみると、違和感が全然ないのが不思議。Nikolaj Bentzonの多彩な音使いで飽きさせない作りになっている。
Berger Knutsson Spering with Friends
"See You in a Minute - Memories of Don Cherry" ('05)
Bengt Berger(ds)、Jonas Knutsson(sax)、Christian Spering(b)がMats Öberg(key)、Per Tjernberg(perc 9曲中6曲で参加)、Thomas Gustafsson(sax 9曲中6曲で参加)、Christer Bothen(clarinet 9曲中5曲で参加)とLars Almqvist(trumpet 1曲でのみ参加)といった4人を従え、制作されたDon Cherryへのトリビュート作品。Don Cherryの子供達であるNeneh Cherryは"Ganesh"と"Dina Kana Gina"で、Eagle-Eye Cherryは"Clicky Clacky"と"Dina Kana Gina"でヴォーカルを担当、奥さんのMoki Cherryがアルバムタイトルをジャケットに描く等ファミリーの全面的なバックアップを受けた作品でもある。参加メンバーの中でBengt Berger、Christer Bothen、Per TjernbergはDon Cherryとの共演経験を持つ。殆どの楽曲はDon Cherryの手によるものか、Don Cherryがアレンジをしたトラッド曲を更にリアレンジしたもの。所謂ワールドミュージックを積極的に取入れたフリージャズを得意としたDon Cherryの遺産を壊さずにアップデートさせた良作。フリージャズといって腰を引かずにエキサイティングなジャズだと思えば良い。ボーカル曲も「ゴキゲン」である。
Goran Flood
"Vernissage" ('97)
Four Leaf Cloverから出たジャズ/フュージョン・ギタリストGoran Floodの1stソロ。Mats Öberg(key Mats&Morgan)、Mikael Berglund(b 元Cabazz セッション多数)、Dan Stromkvist(ds プロデューサーとしても有名)というメンバーのバンド形態で収録されている。ゲストにMats Tarnfors(add key)にメキシコ生まれのスウェーデン在住のRafael Side(perc)が参加。これといった特徴的なプレイヤーではないもののメンバーそれぞれ顔馴染みっぽいのでアンサンブルは良い。但しBGMでは終わらないだけの力量はあるし、聴き所もちゃんと用意されている。オーセンティックなフュージョンアルバムと呼んで差し支えないでしょう。Mats Obergが参加した中では一番品の良い作品かもしれない…(叫んでいるけど)。"Case to Case"のkeyソロはMats印がしっかりと押されている。全10曲、47分程度の作品。
Krister Jonsson Trio "I'll Stay Out Here and Talk to Harry" ('99)Krister Jonsson(g)、Peter Danemo(ds)、Mattias Svensson(b)によるトリオ。Bill Frisellをブルージーにしたような甘いサウンドでながら、どこか寒々しさを感じるs"Away"から徐々に混沌へと向かう"Rubber"や激しい"Cymbolic"からバラード調の"Elorrio"と多彩な感じを受ける。ここから"9 short pieces"と題された1分に満たない9曲のトラックを3曲を1セットに3つのセクションに分ける構成を持つ。1分にも満たないトラックなので、短いものだと1つか2つのフレーズがいいところ。30秒ぐらいあると多少は音楽的ではある。最初のワン・セットが終わると"Hushmeggah"(本作随一のヘヴィーさではあるのは確か)からトロピカルな雰囲気を持つ"Summerhouse"、しっとりとしたブラシワークが効いている"The Hare"へと。そして再び小曲3つから"Harry"は弦を引掻くようなサウンド(チェロっぽい)が聴こえる。そして、ある種"Harry"への返答歌のようにも聴こえなくもない"Self"で締め括られている。基本的にストレートなジャズ・アルバムと言って差支えがないだろう。
Krister Jonsson Trio + Svante Henryson
"Waiting for Atonesjka" ('04)
Karmakanicにギタリストとして迎えられたKrister Jonsson(g)、Nils Davidsen(b セッション多数)、Peter Danemo(ds リーダー作含むセッション多数)からなるKrister Jonsson TrioにSvante Henryson(cello)を加えたジャズロック作品。Svante Henrysonはキャリア初期はクラシック音楽を中心に活動していたが、徐々にその活動の幅を広げていき、北欧メタル(Yngwie MalmsteenやGlory等)やElvis Costelloとのコラボレーションも記憶に新しいAnne-Sophie von Otter、ECMとジャンルの垣根を取っ払った活動を進めているチェロ奏者。この盤ではECM的なジャズロックが聴ける。涼しげでありつつ切り裂くようなKrister Jonssonのギター。底辺を支えるリズム隊。ノイジー且つ広がりのあるサウンドのチェロ。北欧によく見られる低温火傷型ジャズロック。格好良いこと、この上ない。"Jog"のみSvante Henrysonの作曲でその他は全てKrister Jonssonの手によるもの。
Felix Lehrmann's Rimjob ('11)The Flower Kingsの"Banks of Eden"に参加しているFelix M.Lehrmann(ds)による初のリーダー・アルバム。セッション畑を渡り歩くClaus Fischer(b)、リーダーアルバムを数枚出しているTorsten Goods(g)、Till "Sjan" Sahm(key)にハンガリー出身の名手Tony LakatosとRoolというサックス・プレイヤーが"Patting"と"Rat Russian"で参加している。冒頭からヘヴィでシリアスなジャズ・ロックを展開する。Felix Lehrmannのドラムは兎に角、ずっしりと重い。Torsten Goodsが書いた"Patting"ではグルーヴのあるClaus Fischerのベース・イントロから入る。"601 Deluxe"は車のエンジンを噴かす音から始まるが、タイトル通りズバリ「トラバント601」だろう。Roolが参加している"Rat Russian"のような軽快さのある曲や"Edward"のようなメローな曲でもFelix Lehrmannの重さは存在感がある。
Jan Lundgren Trio
"European Standards" ('09)
Jan Lundgren(piano、fender rhodes)がMattias Svensson(b)とZoltan Csörsz Jr.(ds)を率いてのトリオ・アルバム。ある意味、タイトルが全てを物語っているが、オープニングがいきなりKraftwerkの"Computer Liebe"という所に捻りが見える。映画音楽ではMichael Legrandの「華麗なる賭け」から"Les Moulins De Mon Cœur"が選ばれ、フェンダーローズを使ったClaude Lelouchの「男と女」から"Un Homme Et Une Femme"とLuis Bacalovの「イル・ポスティーノ」の"Il Postino"。そして、Krzysztof Komedaの「ローズマリーの赤ちゃん」から"Rosemary's Baby"などが演奏されている。Beatlesの"Here, There and Everywhere"は流れるような演奏が特徴的。最後の"Pavane - Thoughts of a Septuagenarian"は08年に亡くなったEsbjörn Svenssonの曲を選んでいる。
Ian Mosley & Ben Castle
"Postmankind" ('01)
Marillionの自主レーベルRacketより発売されたIan Mosley(ds)とBen Castle(sax、clarinet、flute)によるジャズロック・プロジェクト。MarillionからはPete Trewavas(b)が全曲で参加、Steve Rothery(g)が4曲で参加。Ben Castleと付き合いが長いMark Edwardsが全曲でkeyを担当。更にJohn Etheridge(g)、Steve Hackett(g)がゲスト参加し、それと判るソロやプレイを聴かせる。Steve Hackettのギターの音は、本当によく管と合います。あの特徴のあるロングトーンと管の相性は本当にばっちりで聴かせます。"The Flying Scroll"では3ギタリストの競演も聴き物。Mike Lovatt(trumpet)、Mike Innes(trombone)を迎えてビッグバンド風の曲も用意されている。Mark Edwardsのソロも随所で何気に格好良かったりする。これはライブ見てみたかった(やったかどうか知らないけど)。Ian Mosleyのシャッフルビートが気持ち良い。ミキサーにPocupine TreeのSteve Wilsonが関わっている。
Sweden Bass Orchestra
"Sweden Bass Orchestra featuring Niels-Henning Orsted Pedersen" ('95)
最初は何かしらのプロジェクト作品にJonas Reingoldが関わった物だとばっかり思っていたが、いざ現物を前にしてみたら、Jonas Reingoldはオーケストラリーダーで2曲オリジナル曲を提供し、録音はRoasting Houseと、どうやらJonas Reingold主導のプロジェクトというのが本来の姿みたいだ。レーベルはスウェーデンのジャズ、クラシック専門の老舗レーベルFour Leaf Cloverから。Niels-Henning Orsted Pedersen(デンマーク出身。北欧ジャズロックの名作Miles Daviesの"Aura"にも参加。05年4月永眠された。)という大御所を迎えPatrick Albin、Karl Magnusson、Peter Anderhagen、Mattias Hjortという若手ベースプレイヤー達の共演が聴ける。Ola Bothzen(ds)がサポート。収録曲はどれも有名なジャズスタンダード。Yardbird組曲で有名なCharlie Parkerの"Donna Lee"、"Softly, as in a Morning Sunrise"、"Misty"、Here's That Rainy Day"にMiles Daviesの"So What"、"I Hear a Rhapsody"、"Somewhere over the Rainbow"と誰しも必ずどこかで聴いた事のある楽曲が多彩なベースサウンドで聴ける。
UMO Jazz Orchestra
"UMO Jazz Orchestra" ('97)
UMOは、75年にフィンランドのジャズミュージシャンによって結成されたビッグバンド。84年にフルタイムのオーケストラとなる。それからは、多くのフィニッシュ・ジャズ・プレイヤーのホームとなり、ツアー、サポート、レコーディングと活躍する。この盤では、Kari HeinilaとKirmo Lintinenの2人の指揮者を使い、5人のサックス、4人のトランペット、4人のトロンボーン、Seppo Kantonen(p)、Pekka Sarmanto(double b)、Markus Ketola(ds)、Mongo Aaltonen(perc)にKirmo Lintinen(synth)が1曲で、Jarmo SaariとMarkku Kanervaという2人のギタリストなどがゲスト参加している。Eero Koivistoinen(sax)と一緒にソロイストとして迎えられたのがAnders Bergcrantz(trumpet、fluegelhorn)。Bina Nkwazi(vo)も参加したMiles Daviesの"All Blues"を始め3曲で客演。John Coltraneの"Equinox"のカバー以外は全てフィンランドの作曲者によって書かれた作品で作られている。因みにこの盤の作成にあたってLUSES(The Foundation for hte Promotion of Finnish Music)とESEK(The Finnish Performing Music Promotion Centre)が経済的にバックアップしている。こういうのって、重要だったりする。
Zone
"First Difinition" ('99)
"Unfold the Future"に参加していたAnders Bergcrantz(trumpet)が参加している盤(どこを突っついているんだよ、という突っ込みはナシにして頂けたら幸いと思います)。ライナーによるとZoneとはバンド名ではなくフィンランド出身のジャズ作曲家であるEero Koivistoinen(sax奏者としても参加)、Kari Komppa、Jarno Kukkonen(g)、Jukka Linkola、Jarmo Savolainen(synth)の5人による非営利団体。90年代に組織化され、オーケストラの維持、コンサートの企画等を行っている。まぁ、欧米ではオーケストラは非営利団体の代表格として認知されているので(お国事情にもよるが、大体法体系もそれなりにしっかりしている)、まぁ、不思議はないですね。その他にこの盤に参加しているのはMikael Alangbacka(trombone)、Jukka Perko(sax)、Pertti Paivinen(sax、flute)、Seppo Kantonen(p Pekka Pohjolaとの活動で、と言った方が通りが良いかも?)、Ron McClure(b)、Jeff Hirshfield(ds)、Mango Aaltonen(perc)。音楽性はジャズオーケストラ編成によるモダンジャズが中心。とはいえ、メロディーがしっかりしている曲が多いので、そんなにとっつきにくいって訳ではないと思う。最後にMonkの"Jackie-ing"で締めくくられている全10曲。


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