TFK Hardo編



Hardo

Adrenaline Mob ('11)Dream Theater脱退後、Mike Portnoyがまず動いたのがこのプロジェクト。Mike Portnoyがフェイヴァリット・ヴぉーカリストに挙げるRussell Allen(vo Symphony X)とRussell Allenのソロ等で一緒に組んでいるMike Orlando(g)が中心となって結成される。ベースにPaul DiLeo、そしてリズム・ギターにRich Ward(FozzyやStuck Mojo等)が参加。バンドのテーマソングのように扱われるBlack Sabbathの"Mob Rules"をはじめ、しっかりとフックのあるパワーメタルが並ぶ。特に伸びもあるパワフルなヴォーカルを披露するRussell Allenのヴォーカルが気持ち良い。ノリの良い"Psychosane"からヘヴィなグルーヴを持つ"Believe Me"への冒頭2曲の流れが凄い。フル・アルバムまでの繋ぎのデビューEP(全5曲、22分)としては充分であろう。
An Endless Sporadic ('09)ゲームGuitar Heroなどに曲を提供した経験を持つプログレッシブ・メタル寄りの2人組。Zach Kamins(g、key)とAndy Gentile(ds)はプロデュースをRoine Stoltに依頼。その流れでJonas Reingold(b)が参加。時にJohn Petrucci的なギターを弾くZach Kaminsはアコースティック・ギターを効果的に使うなど工夫がみられる。またキーボード・サウンドは非常にThe Flower Kingsを思わせるところが多い。また"The Triangular Race through Space"はELP的というか、ホルストの火星的な感じ。"Subliminal Effect"はサウンドスケープ的なパートから徐々に盛り上げていく曲。Jonas Reingoldの肌理の細かいプレイが聴きものだろうか。作曲は全てZach Kaminsによる全9曲。トータル約33分のミニ・アルバム的な内容。
Ayreon "01011001" ('08)Arjen Anthony Lucassenによるロック・オペラ。タイトルは2進法で、89を指し、アスキーコードでYとなる。ストーリーは"Into the Electric Castle"から連綿と続いている"Planet Y"と"Forever of Stars"を題材としたもの。今作でも17人ものシンガーを用意。以前に参加したことがあるのは、Anneke van Giersbergen(The Gathering)とFloor Jansen(After Forever)だけ。その他はTom Englund(Everygrey)、Steve Lee(Gotthard)、Daniel Gildenlow(Pain of Salvation)、Hansi Kursch(Blind Gurdian)、Jonas P Renske(Katatonia)、Jorn Lande(Jorn)、Magali Luyten(Virus IV)、Bob Catley(Magnum)、Ty Tabor(King's X)、Simone Simons(Epica)、Phideaux Xavier、Liselotte Hegt(Dial)、Wudstik、Marjan Welman(Elister)。更にゲストミュージシャンにThe Flower KingsのTomas Bodin(CD2-2のシンセソロ)をはじめ、Derek Sherinian(CD2-1のシンセソロ)、Lori Linstruth(元Stream of Passion)、Michael Romeo(Symphony X)のギターソロ等が収められている。"Newborn Race"でのJorn LandeはまるでPhilip Lynottなのに驚いた。いや、John Sykesか…。曲もThin LizzyのDNAを持っているようだ。Tomas Bodinが参加した"Waking Dreams"はAyreonには欠かせないタイプのような曲に聴こえる。こういうタイプの曲が必ず1曲はあったように思える。Tomas BodinのソロはやはりAyreon色をしっかりと意識したスペーシーなもの。個人的にはTy Taborの起用にも驚いたし、Ty Taborが参加した"Connect the Dots"も新鮮だった。所々に欧州らしいトラッド色が入るのも良いアクセントとなっている。
Glory "Crisis VS Crisis" ('94)Jan Granwick(g)率いるGloryの4th。殆どJan Granwickのソロ作のような様相を呈した前作"Positive Boyant"で数曲ボーカルを入れたGoran Edmanとで本格的に復活を試みた作品。メンバーにはYngwie Malmsteenの相方として知られるMats Olausson(key)、Svante Henrysson(b、cello 元Yngwie Malmsteen)、Morgan Agren(ds)というラインナップ。所謂北欧メタル、という枠に捕われない奔放なアイディアを放り込んだ結果、楽曲に幅が出来て素晴らしい作品に仕上がっているのが良い。北欧メタルらしいキーボードの導入から一転してエフェクトをかけたヴォーカルが乗りハードなギターで幕を開け、再びクラシカルなキーボードソロを入れる対比は面白い。"Celebration"でのQueenやSweetを思わせるコーラスワークはGoran Edmanの得意とするところだろう。バラード"Believe in a Miracle"ではSvante Henryssonのコントラバスがサウンドの要となっている所が素晴らしい。"The Battle of the Bridge"はJan GranwickのアコギとSvante Henryssonのチェロが活躍するクラシカルなコーラスが入る曲。最後に収められている"Garden of Earthly Delights"はJan Granwickのギターが堪能出来るハードなインスト、とメンバーの力量を思い切り使い切った作品。尚、"Celebration"では元SaigonのMikael Bernerがベースを担当。元BalitmooreのRolf Alexが2曲でドラムを担当。因に現在、Morgan Agrenは新生KaipaやMats & Morganで、Svante HenryssonはKarmakanicやThe Tangentでギターを担当するKrister Jonssonのリーダーアルバム等で活躍(スウェーデンってつくづく狭いんだなぁと思ったりして)。ジャケットはこの日本盤の方が絶対に良い!
Good Times Bad Times "Good Times Bad Times" ('05)ヴォーカルのPontus Stenqvistがリーダーでありメインソングライター。Krister Jonsson(g)、Jaime Salazar(ds)といった馴染みのある名前から、Anders Lorenzi(b)、Magnus Norrenberg(organ、p、Wurlitzer)、さらに4曲でRobert Engstrandがキーボードで参加。そして女性バックコーラス2名からバンドが形成されている。その音楽性はPontus StenqvistがフェイヴァリットにあげるE-Street Band時代のBruce Springsteenを想起させる。但し、あそこまでの熱さやストリート感覚はなく、どちらかというと、醒めた感じ。これも北欧らしさか?歌詞もロック界の王道である失恋物が主。"Monday Morning"ではKrister Jonssonはフルートも披露。
Hagen "Corridors of Time" ('01)北欧トラッド界では有名なAnders Rosen(ele. violin)とHans Rosen(b)兄弟がMichael Ohlsson(vo)、Per Nilsson(g)、Hans Lundin(key 元Kaipa)、Patrick Jansson(ds Abramis Brama等)を加えて結成させたトラッドメタルバンド。"A Summer Air"と題されたオープニングナンバーはKaipaのSoloに収録されていた"Visan i sommaren"を英訳したカバーでド肝を抜かされる。非常に地味な選曲なんだけど、これ以上にないほどに自己のアイデンティティを表明した結果となっている。重厚なkeyサウンド、らしいギターソロ、ブルージーなボーカル、トラッドメロディーと全ての条件を満たした好選曲(それでも地味は地味だよなぁ)。そして特筆すべきはAnders Rosenのディストーションが効きまくったエレクトリック・ヴァイオリン・サウンドだろう。Anders Rose、見た目はそんなに若くないのに、出しているサウンドはバンド随一という程、ヘビーだ。
Nightscape "Symphony of the Night" ('05)Simon Akesson(vo)、Joakim Wiklund(g)、Pontus Akesson(g)、Marcus Sundquist(key)、Stefan Widmark(b)、Tyloer Voelz(ds)という編成のNightscapeのLion Musicからのデビュー作。所謂Helloweenチャイルドと言っても差し支えないだろうの欧州パワーメタルバンド。個人的には最近、こういう音を聴いていなかったので、新鮮ですね。青田刈りが進んでいる分野らしいので、食傷気味の方も多いと聞き及びますが。Helloweenチャイルドと言っても、Keeper Pt.2よりもKeeper Pt.1の香りを色濃く感じる。Simon Akessonはこの手の音楽には欠かせない王道ハイトーンボーカルを中心に、王道リフ。ドラマティックな作風なんだけど、アニメの主題歌みたいな部分が薄いところも好き。"Home"はどこか垢抜けないところがあるんだけど、結構好きなチューン。Simon Akessonが全曲作曲に携わっている。日本盤には"Merlin"のデモが収録されていたみたいだ。
Reptilian "Castle of Yesterday" ('01)Majesticの1stに参加していたJonas Blum(vo)とJoel Linder(ds)が組閣したグループ。他のメンバーはThomas Blum(key)、Jonas BlumのPole Position時代の相方、Lasse Boquist(g)、Orvar Wennstrom(g 元Original Sin)にJonas Reingold(b)。楽曲は全てバンド名義(ここら辺りにMajesticを出た理由がありそうな…)。プロデュースはドラムのJoel LinderとHenrik Larsson。音楽性はMejestic同様ネオクラシック路線。アルバムタイトルにジャケットのイラストを見れば、好き者には判るだろう。「城」、「虹」、「蛇」と見事だ。ハスキー声のJonas Blumの表現力は悪くない。それにしても、このチェンバロ風のキーボードはお約束なわけなんですね。インスト"Skelton Scales"を含む全10曲。日本盤にはボーナストラックが1曲収録されている。
Reptilian "Thunderblaze" ('02)Orvar Wennstromの後任に元MajesticのPeter Espinoza(g)が参加。元Majestic組が3人となる。このギター交代劇のせいか、音楽性も骨太なパワーで押す方向性にシフトし、勇壮なコーラスや低音ヴォーカルの多用が目立つ。ヘヴィー・メタルの教科書的なツイン・リードのサウンドが素晴らしい"Chains of Love"、Joel Linderのドラムが曲を引っ張る"In My Zombie Sleep"はそのドゥーミーなサウンドのせいか時折Jonas Blumの声がOzzy Osbrouneを思わせる。"Bulletspeed"はタイトル通りの王道ファスト・メタル。日本盤にはボーナストラックに"Demon Wings"と"Sabre Dance"を収録。後者はハチャトゥリアンの「剣の舞」(これがまた…ドラムのバタバタ感が…)。アルバム・プロデュースはバンドとJonas Reingold、Henrik Larssonとなっている。
Rävjunk "Uppsala Stadshotell Brinner 30th Anniversay Remaster" ('07)ライナーなどを読んでみるとこのRävjunkはスウェーデン初のパンク・バンドと呼んでも差し支えないようだ。特にヴォーカルのSören G. Andersson(vo、perc、key)はパンクから強い影響を受けている。そのSören G. AnderssonがドラムのPeter Ericson(ds、g、key)と出会いバンドを結成した。そこにChrister Lindahl(g、organ、p、vo)とWilhelm(Lars Eric)Wallin(b、p、key)が加わり、前身となるGudibrallanを結成。76年にRävjunkに改名する。オープニング・ナンバーの"Sherry、Vermouth、Vin & Öl"はヴォーカルなどはThe Stoogesのような初期パンクのパワーを持ちつつも、オルガンが響き渡り、サイケデリック・ロックのような要素も持つ。Black Sabbathのようなヘヴィーなサウンドから始まるインストの表題曲ではHasse Bruniusson(ds)が参加。バンドの顔とも言えるであろうナンバー"Inferno"はまるで引き締まったHawkwindを連想させる。"Säg Mig Andersson"はブルース・ハープが鳴り響くブルース・ナンバー。ドラマーPeter Ericssonが書いた"Nåsten(Den Tysta Skogen)"は広がりのあるキーボードによるサウンドスケープをバックにしたプログレ色が強いナンバー、と意外と取りとめもなく多彩なナンバーが目白押し。ボーナス・ディスクには"Inferno(Maestro)"を2パートにストレッチさせたもの(後半はジャム主体)や、"Tro På Livet(Jam)"とあるデモ音源っぽい曲やDavid Peelのカヴァー"Who Killed Brian Jones? Was It One of the Rolling Stones?"のライブなどが収められている。
Snake Charmer "Smoke and Mirrors" ('93)銀山のPer Stadin(b、key)とAnders Johansson(ds)が核となってPete Sandberg(vo)、Sven Cirnski(g)を迎えて制作されたアルバム。バンド名を見れば虹系列かと思わせるが、音の方はハードポップに近いもの。Per Stadinのプロデュース、作曲にPete Sandbergが歌詞を乗せた楽曲で占める。発表年は93年とあるが、80年代によく聴かれた、キラビやかなキーボードが支配的である。Anders Johanssonの弟Jens Johanssonが2曲でオルガンをプレイ。その内の1曲"Highway of Love"は白蛇を思わせるブルージーなバラード。アルバム最後に収められたBeatlesの"Eleanor Rigby"のカバーは上手くハマっている。
Snake Charmer "Backyard Boogaloo" ('98)ボーカルをGoran Edman、ギターにBenny Jansson(The Johansson Brothers等)、専任キーボードにJens Johanssonとメンバーを入れ替えた2nd。全てにおいて、軽々と前作を上回ったのはメンバー交代と言ってしまっては、ちょっと酷だろう。外部ライターの曲を入れているというのもあるかもしれないが、何よりもPer Stadinのプロデューサーとしての資質だろう。それにしても、このコーラスは女王様である。Goran Edmanの嗜好が色濃く出ている気がする。今回のカバーはDavid Bowieの"Life on Mars?"と来た。路線は前作と同一上にあるものの、ドラマ性、サウンド、全てにおいて、5年という月日が無駄でなかった事が判る良作。
Timeless Miracle "Into the Enchanted Chamber" ('05)Roasting Houseから出された新人バンドの1st。Mikael Holst(vo、b)とFredrik Nilsson(g、key)が中心となってSten Moller(g 元NoiQ)、Jaime Salazar(ds 元The Flower Kings)が参画したことによってラインナップが完成している。一言で言ってしまえば、Helloweenタイプのスピーディーな部分を持つパワーメタル、という事になる。ボーカルはちょっとGlenn Hughesに爬虫類を足した感じで、好き嫌いが分かれる所かもしれない。聴き所はIron Maidenを思わせるオープニングを持つ14分にも及ぶ大曲"The Voyage"かな。これでもか、という程ドラマティックな効果を狙った楽曲は好き者には堪らないかもしれない。日本盤には"Church of Damned"がボーナストラックとして収められている。


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