Spellbound

Breaking the Spell ('84) 80年代中期、Europeの出現によって、「北欧メタル」なる言葉がメタルファンの間で浸透して来た。その特徴を一言で表すなら「流麗」だろう。メロディー、サウンド、そして何よりもキーボーダーの位置をメタル界で確立させたのが北欧メタル。それまではメタルにおいて、キーボードが入っていたら、メタルじゃない、という暴言まで吐かれていた時代もあったのだ。それはさておき、このSpellboundもEuropeに続けとばかりに、しっかりと当時、日本でデビューを果たしている。"Seducer"と題されたギター、キーボードの短いインストによる導入部からミッドテンポの"Love Taker"(笑っちゃいけない。当時のメタルにこういうタイトルは普通に溢れていたのだ)へと移行する様はScorpions等に代表される欧州メタルばりのドラマティックな演出力を持つ。個人的には最初のコーラスに入る直前のギターの音とコーラスを聴くとVan Halenの1stを思い出す(音楽性ではなくサウンドが、ですね)。"Passion Kills"みたいなバラードになると流石にまだ稚拙な所があるHans Froberg(vo、ac g)だが、ミッドチューンではドスの利いた野太い声でこなし、凌いでいる。"Hooked on Metal"や"Rock the Nation"のJ.J. Marsh(g 現在はGlenn Hughesのパートナー)とAl Strandberg(g、key)のツインリードがこのバンドのルーツを見せてくれる。リズム隊はOla Strandberg(ds)、Thompson(b)からなる。

 

Solid Blue

Vol. III ('94) Hans FrobergがSpellbound後に参加したグループ。Pelle Isaksson(ds)、Rikard Zander(key 現Evergrey)、Janne Olander(b)、Soren Cederberg(g)、Hans Froberg(vo、g)という布陣で制作された、ブルージーなAOR調ハードロックアルバム。"In a Broken Dream"(Python Lee Jacksonというオーストラリア産のバンドがRod Stewartをボーカルに迎えた72 年のヒットバラード)のカバーを含む全12曲。レイドバックした感じのハードポップ、R&Bの匂いを感じさせる曲、ホンキートンク調のピアノが絡む曲、Uriah Heepみたいな重厚なオルガンサウンドに導かれるバラードと飽きさせない作りが嬉しい。レコーディングエンジニアはRoine Stoltが担当。現在、The Flower Kingsのオフィシャルサイトにてマーチャンダイズへ行くと購入可能(エライぞ!)。The Flower KingsはライブでDeep Purpleのカバーとかもやるけど、"Drifting" とか"Can't Stand the Blues"あたりも聞いてみたいモンだ。

 

JJ Marsh

Music from Planet Marsh ('06) 近年はGlenn Hughesとの活動で注目を浴びているJJ Marsh。また、Tomas Bodinのソロ作にも出ている。出る、出ると言われていて、中々出なかったJJ Marsh待望のソロ(色々とディールを物色していたみたいだが、結局は自主という形に落ち着いた)。元Great King Rat、Electric BoysのThomas Broman(ds)、HTP等でも共演しているKjell Haraldson(organ)を引き連れてJJ Marshはギター、ベース、ヴォーカルとソロ作らしい形態。ゲストにThe Flower KingsのTomas Bodin(organ、Fender rhodes、mellotron、Moog synth)が"It's not Too Late"と大曲"The Change"で参加。ここで、聞けるJJ Marshの声もGlenn Hughes節をたっぷりと吸収した感じのグルーヴのある喉を披露している。モロにJimi Hendrixの"Manic Depression"を思わせる"Play the Game"に、JJ Marshの懐の深さを垣間見る。劇的なオープニングを持つ"Into the Light"の中間部のソロ・パートは必聴。そして、やはり圧巻は最後の11分を超える大作"The Change"だろうか。70's英国ハードロックが好きな向きには外せないアイテム。

 

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