Ritual

"Ritual" ('95) Museaから出た1st。日本盤には"Vision Quest"のライブ音源がボーナストラックが入っていたらしい。現在はInsideOutからリマスター盤が出ている。メンバーは、ミュージカルアクターとしてスウェーデンバージョンの"Hair"や"The Buddy Holly Story"等の主演経験を持つPatrik Lundström(vo、g)、Fredrik Lindqvist(b等)、Johan Nordgren(ds)、Jon Gamble(key)。Jon Gambleを除く3人は88年から同じバンドで演奏しており、93年にJon Gambleを加え、リハーサルに明け暮れた後、Hans Fredriksson(Fridaの息子)のプロデュースの元、デビューを果たす。"Typhoons Decide"、"A Little More like Me"と"Seasong for the Moominpappa"は各々Tove Janssonのムーミンシリーズである短篇作"The Fillyjonk who Believed in Disasters"、"The Hemulen who Loved Silence"、"Moominpappa at Sea"からインスピレーションを得た曲となっている。そんな訳で、この3曲は牧歌的で可愛らしい感じがする。ちょっとKaipaかな?その他は、ハードでサイケで民族音楽をちょっとまぶした感じがするが、その運用方法はZep的だ。最後に収められている"Power Place"はスタジオライブとのこと。Lotta Hasselquist(violin)とMats Karlsson(accordion)の2人のゲストプレイヤーが楽曲に華を添えている。
"Superb Birth" ('99) どういう訳か自主制作で出された2nd。メンバー、プロダクションチーム共に前作と同様のメンツで仕上げられている。アルバム発表前にはシングルで"Did I Go Wrong"を切っている(これも自主制作によるもの)。シングルにはボーナストラックとして"Breathing"が収められている(未聴)。このアルバムでは更にLed Zeppelin的なサイケデリック色が強まった感がある。近年のRobert Plantのソロにも似た感覚を味わえる。因にInsideOutから出されたリマスター盤では、曲順が全く違う構成で出されている。
"Think like a Mountain" ('03) ムーミンが大好きなハードロックバンドの3rd。このアルバムでは"Moomin Took My Head"という、随分とシュールな感じがする曲がTove Janssonに捧げられている。プロデューサーのHans Fredrikssonは、Fridaの夫であったRuzzo Reussに、とある。Siebenburgenというブラックメタルバンドに在籍していたLovisa Hallstedtとその姉妹?Amanda Hallstedtが全編に渡りストリングスを提供。 楽曲に更なる色彩を与えている。冒頭から民族音楽指向、取り分け、東洋指向が強まった感がある。アコースティックで彩られるインスト"On"の冒頭の叫び声は私の耳には、どう聞いても「オカン!オトン!オカン!」としか聞こえない。日本でムーミンが再度アニメーション化されるのであれば、是非ともこのバンドにコンタクトを取って主題曲でも演ってもらいたいものである。
The Hemulic Voluntary Band ('07) アルバムタイトルからして、既に今作もTove Janssonのムーミンから題材を取っているのが伺える。メンバー、製作スタッフに変化はない。表題曲の"The Hemulic Voluntary Band"、"Late in November"、"The Groke"、"Waiting by the Bridge"がムーミンシリーズから。そして後半を占める26分にも及ぶ"A Dangerous Journey"はこれもTove Janssonの絵本"Den Farliga Resan"(The Dangerous Journey)より。ジャケットに描かれているバンドはそのままメンバーを表したものだろう。今作では、グッとアコースティックなサウンドが増し、その分従来あったサイケデリック色が薄れた作風となっている。しかしながら、その構成力は更に力強く、時にGentle Giantを思い起こさせる。ブズーキ、ハンマー・ダルシマー等の民族楽器を扱うFredrik Lindqvist(b)やニッケルハルパ(鍵盤付きヴァイオリンとある)も演奏するJohan Nordgren(ds)の活躍が耳を引く。結果として、チンドン屋具合が上がり、同郷のSamla辺りをも思い起こさせる。今作の充実ぶりはある意味、プログレ好きには好サンプルとなるだろう。因みにジャケットはFredrik Lindqvistが在籍する別バンドImprovisationsgruppen AltairのJavier Herbozoの手によるもの。

 

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