Magnus Karlsson

Last Tribe

The Ritual ('01) Midnight Sunの後期ギタリストMagnus Karlsson(g、key)率いるバンドの1st。Rickard Bengtsson(vo 元Tristinia、Armageddon)、Kristoffer "Doffe" Andersson(ds)、Par Wallmark(b)という布陣。Jonas Reingold(b)とJaime Salazar(ds)が助っ人で参加。重厚なイントロから雰囲気たっぷりの"Tears of Gold"、バラード調のイントロから重いリフへと移るミッドテンポの"Made of Stone"と変わったリズムを持つ"One of a Kind"がJonas Reingoldとの共作(Midnight Sunからはじかれた曲かな?)。その他はMagnus Karlssonの手による楽曲で占められる。超絶プレイのMagnus Karlssonに丁寧に声を被せるRickard Bengtssonに好感が持てる。表題曲の"The Ritual"と日本盤ボーナストラックであるデモ音源"Take It Away(and don't Bring It Back)"はインスト。重厚なシンフォニックなパートがあったり、ネオクラシカル風の曲があったり、プログレっぽい所もあるにはありますが…、基本的には非常にオーセンティックなヘヴィーメタル。
Witch Dance ('02) この2ndからリズム隊が交代。ArmageddonでもプレイしているDick Lowgren(b)にThe Flower KingsやMidnight Sunで叩いていたJaime Salazar(ds)が参加。徹頭徹尾、良質なヘヴィーメタルが満載。メタルファンであれば、涎が出てもおかしくないだろう。それだけ完成度も高い作品。クラシカルなオープニングから続いて大物の風格を漂わせるタイトルトラック。Magnus KarlssonのギターサウンドはSteve Vaiを思わせるものの、プレイそのものは純ヘヴィーメタル。重厚でありつつも、曲は多彩で、アレンジもよく練られている。Rikard Bengtssonという稀代のボーカリストがいる、というだけで、曲の表情は明らかに増している。"Agadir"は東洋志向を持ったオープニングからクラシカルな曲調へと移行しまた東洋的なものに戻る、という構成のインスト曲。日本盤には"Tell Me More"というアコースティック色の強い曲がボーナストラックに収められている。この曲ではMagnus Karlssonがリードヴォーカルを披露。またバックヴォーカルにHerman Saming(A.C.T.等)、Johan Ederfors(A.C.T.でストリングアレンジ等を担当)とThomas Wallen(元Downtown Clown)が参加。ヴォーカルの充実に貢献しており、見事に吉と出ている。捨曲が見当たらない。メタルファンなら絶対に押さえておきたい作品だ。
The Uncrowned ('03) 前作と同じ布陣で制作された3rdアルバム。全体的な印象として今まで以上にヴォーカルハーモニー等、キャッチーな部分が増えた気が。あちこちに散りばめられた東洋的なフレーズも楽曲に効果的なメリハリを付けている。Last Tribeのと言うより、曲の殆どを作っているMagnus Karlssonの強みはそのリフの組み立て方にあるんじゃないか、と思える。また、Magnus Karlssonはサウンドに格や雰囲気を持たせるのが非常に上手い。Jaime Salazarのドラミングも時折、意外にテクニカルな部分があったりして、一味加えている。ハイトーン・コーラスを持つ"The Chosen One"や表題曲は秀作。"April Sky"は1分ちょっとのアコースティックギターがメインのインスト。"Only the Innocent"のみRickard Bengtssonとの共作で、残りは全てMagnus Karlssonの手による。アルバム最後に収められている"Blessed by the Dark"は日本盤のみのボーナストラック。このアルバムで契約が終了したのか、07年現在、この作品が最新作。Magnus Karlssonは様々なプロジェクトに携わっている。


 

Other Selections

Starbreaker
"Starbreaker" ('05)
レーベルFrontier RecordsがTony Harnell(vo TNT、Westworld)をメインにプロジェクトを立ち上げ、古くはBody Count等にも参加していたプロデューサーとしても活躍するFabrizio Grossi(b)の参加は決まっており、そこにMagnus Karlsson(g、key)に白羽の矢が立つ。TNT時代に一緒に活動していたJohn Macaluso(ds)を迎えラインナップが完成する。殆どの曲をMagnus Karlssonが手掛け、Tony Harnellが歌詞を担当。インスト"Dragonfly"のみリズム隊による作曲。今作でのTony Harnellの声が思い切りJames LaBrieを思い起させ、どこか、ドラムの音の抜け方もMike Portnoy風に聴こえてしまうところから、Dream Theaterと比べられてしまうところもあろうが、そこはMagnus Karlsson。「古くて新しい」ギタリストの異名を持つだけあり、力強いパワーメタル寄りにならない、オーセンティックなヘヴィーメタルを現代風に調理している、といった趣きがある。日本盤にはバラード曲の"Days of Confusion"のアコースティックバージョンを収録。
Allen - Lande
"The Battle" ('05)
Magnum等のジャケットで有名なRodney Matthewsのイラストが目を引く(お久しぶりですよね)。Russell Allen(Symphony X)とJorn Lande(Vagabond、Masterplan等多数)という2人のボーカルを擁するMagnus Karlssonが仕掛けたプロジェクト作品。この作品はFrontierレコードの社長がMagnus Karlssonに何かビッグプロジェクトをやりたいね、と話した事からMagnus Karlssonが作曲作業に入り、この2人のボーカルに白羽の矢が立った、という経緯らしい。Magnus Karlssonが作詞作曲全てを手掛け、ギター、ベース、キーボードと殆どの音を作り、ドラムにはスウェーデンの助っ人職人Jaime Salazar(元The Flower Kings)が座る。アルバムの半数は2人のボーカルを活かしたデュエット曲で、メロディアスでヘヴィーなヘッドバンギング曲が目白押しである。その間を縫う様にお互いのソロボーカル曲が入ってくる。ソロ曲ではバラードタイプの曲に重きが置かれている。確かに色物的な企画なのだが、Magnus Karlssonが全ての楽曲を手掛ける事で芯の通った作品に仕上がっている良作。こういう作品を聴くとメタル魂が疼くんだよな。個人的にはJorn LandeのDavid Coverdaleを若々しく力強くしたような声にやっぱりノックアウトされてしまう。日本盤にはJorn Landeがボーカルを取るバラードの名曲"Reach a Little Longer"のピアノをメインに使ったアコースティックバージョンがボーナストラックで入っている。
Planet Alliance ('06) CloudscapeのMike Anderssonが全曲でヴォーカルを取る北欧メタル・プロジェクトとでも呼びたくなる作品。作曲はMike AnderssonとMagnus Karlssonで分け合い、"Ain't No Pleasin' You"と"The Quickening"がBob DaisleyとD.Wilsonと表記されている(Damian Wilson?)。"The Great Unknown"がJanne Stark(Locomotive Breath等)の手による曲。殆どのギターパートはMagnus Karlssonによるものだが、その他にも前述のJanne Stark、Carl-Johan Grimmark(Narnia)とMathias "lA" Eklundh(Freak Kitchen)が参加。ベースはMagnus Rosen(Hammerfall)の他Bob Daisleyが作曲に携わった"Ain't No Pleasin' You"と"The Quickening"でベースを弾く。前者ではドラムにAnders Johanssonが参加。その他の残り全ては職人Jaime Salazarが担当。時折David Coverdaleな声を出すMike Anderssonにハッとさせられる。オープニングからクラシカルで緊張感の高いテクニカルなプレイでグイグイと引っ張って行く。"The Real You"のソロの掛合の音圧の中からMagnus Rosenのチョッパ−プレイが顔を覗かせる小技の聴かせ方も素晴らしい。質の高いメロディアスなメタル・チューンが目白押しな名曲揃いのアルバムと言えよう。
Allen - Lande
"The Revenge" ('07)
前作と同じ布陣で製作された2nd。今作でも全12曲中6曲がRussell AllenとJorn Lande2人のヴォーカルをフィーチャーしたもので、残りの楽曲を半分づつ分けている。今作では前作ほどソロ曲をバラードタイプなどに特化せずに、ヴァラエティを持たせており、そして、特にこういった楽曲に強い曲が多いように思える。パワーメタル調の"Obsessed"、Jorn Landeお得意のDavid Coverdaleタイプの声が聴ける"Master of Sorrow"など。そして、今作の最大の聴き所はキャッチーな古き良きヘヴィーメタルを体現した"Wake Up Call"から"Under the Waves"への流れだろう。特に"Under the Waves"でのJaime SalazarのテクニカルなリズムにMagnus Karlssonのメロディアスなエレクトリック・ピアノの美しいコンビネーションを持つイントロの素晴らしさは白眉。ギタープレイのみならず、こういったキーボードのメロディーの美しさもMagnus Karlssonのセンスの良さを際立たせる要素の一つだろう。ジャケットは再びRodney Matthews画伯。


 

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