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Yes "Fragile" ('72) Yesには名作が多い。ホント、多い。でも、これ。ベタベタでもこれ。セッション等で活躍していたRick Wakeman(key)が加入。ところが、ここで問題が。Rick Wakeman、別のレーベルとソロ契約を交わしていたため、この作品では自身の曲を入れることが出来なかったらしい。その為、何かRick Wakemanを紹介するためのトラックを用意する必要があって"Cans and Brahms"。そしたら、Bill Brufordもオレも!って"Five Per Cent for Nothing"でアヴァンギャルドなジャズ・ロックを。Steve Howeはアルバム・オープニングを飾る素晴らしいクラシカルなソロな披露していても"Mood for a Day"を持ってきて、ドンChris Squireはメロディアスなベースのお手本を示すような"The Fish"を持ってくるもののBill Brufordの肌理の細かいパーカッションに耳を奪われてしまう。Jon Andersonも"We Have Heaven"で伸びやかな多重録音ヴォーカルを披露する。そんなソロ曲の間隙を縫うように、やっぱりオープニングは壮大なYesらしい曲が必要だよね!の"Roundabout"に始まり、4曲目にはChris Squireらしいゴリゴリなベース・サウンドが特徴的な"South Side of the Sky"。そして最後にシンフォニック・ロックの権化であり、ロック・ヒストリーの金字塔的なアンサンブルを聴かせる"Heart of the Sunrise"。あれ?"Long Distance Runaround"が…。当然、名曲。最後にこのジャケットの地球の美しさはどうだろう?そこへ向かう飛行機は後にRoger Deanのトレードマークとなる。  
Larry Young "Lawrence of Newark" ('73) Tony Williams Lifetime等で活躍したLarry Youngの10thソロ。Lifetime脱退後初のリーダー作のようだ。まるでKeith Emersonがジャズを演っているかのようにハモンドが全編に鋭く響き渡る。本作でLarry Youngは総数10人のパーカッション、ドラム奏者、3人の管奏者(エレクトリックが2本)等を用意し、Larry Youngのオルガンを中心に肌理の細かいプリミティブなリズムで埋めていく。ギターに名手James Ulmerを起用しているのも聴き所の一つだろう。クレジットにあるMystery GuestはPharoah Sanders(sax、vo)らしい。12分にも及ぶ"Khalid of Space Part Two - Welcome"は正にジャズ・ロック・ファンやオルガン・ファン必聴曲だろう。混沌としたオルガンの洪水。後半に入るDiedre Johnsonのチェロのサウンドも良い。「アラビアのロレンス」をもじったアルバム・タイトルにあるようにそこかしこにアラビック風なサウンドも出てくる。因みにNewarkはNJ州の都市でLarry Youngの出身地でもある。



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M.E.



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