T as Tiger

T

Alfredo Triff "21 Broken Meloddies at Once" ('01)Jack Bruceのアルバム"Shadows in the Air"の収録曲である"Directions Home"のヴァイオリンにノックアウト。で、見つけたのがこのソロ。勿論Kip Hanrahan主催するAmerican Claveから。タイトル通り21曲で構成されている。伸びやかなエレクトリック・ヴァイオリンの響きから、ダンスホールミュージックのようなサウンドやビッグバンドが被る。アヴァンギャルドなノイズが交差し、切迫した空気を醸し出す。全体的にヴァイオリンの音は非常に乾いたサウンドが鳴る。お馴染みのRobbie AmeenやNegro Horacio Hernandez、Roman Diazのドラムやパーカッションに湿り気がある分、尚更、Alfredo Triffの乾いたサウンドが際立つ。アヴァンギャルドなノイズ、中米らしい軽快なリズム、メロディアスなフレーズもどこか全てが悲哀を纏っていると感じるのは何故だろう。そこにキューバーというバックグランドが絡むからだろうか?"Sitiera"、"Ambiente Pa' Ti"、"La Distancia Entre Los Dos"、"Bolero Para las Memorias"はヴォーカル・ナンバー。"1:48"は2人のドラマーの妙技が楽しめる。その他にAndy Gonzalez(acoustic b)、Yosvany Terry Cabrera(reeds)が参加。
Tristan Park "A Place Inside" ('95)ボストンを拠点にする所謂ネオ・プログレッシブ・ロック・バンドの2nd。メンバーはTom Bean(g)、Rick Black(key)、Ray Bowles(vo)、Brian Coombes(b、vo)、Chuck Dyac(vo)、Jim Turmel(ds)にゲストにReg Dickinson(g)、Keith Larochelle(trumpet、flugelhorn)、Marc Larochelle(sax、key)からなる。兎に角全編、エレクトリック・ピアノをメインにしたメロディーの洪水に埋め尽くされた作品。リードを取れるヴォーカリストが3人いるのもアルバムを多様なものにしている。特にChuck Dyacの深みと伸びがある声はライブでも素晴らしい喉を披露していた。また管を擁することで、スピード感のあるアレンジ("The Search"など)を作ることに成功しているのも特色だろう。"A Well Lit Place"は"Risking It All"のイントロ的なインスト小作品。最後に"Porn Jazz"という管が活躍するその名の通りの隠しトラックがある。兎にも角にも、美メロが好き、という向きにはマスト・アイテムな作品。バンドはこの後、欧州ツアーを収めたライブ盤に3rdアルバムで解散。07年にリユニオンを果たす(多分、1回限りの)。
TNT "Intuition" ('89)米国出身のハイトーン・ヴォーカリストTony Harnetlを擁するノルウェー産ハードロックバンドの4枚目。荘厳な雰囲気を持つイントロ"A Nation Free"からナスティーなグルーヴを持つ"Caught between the Tiger"へと続く。煌びやかなKjetil Bjerkestrandのキーボードや名手Ronnie Le Tekrø(g)のソロやメロディーが北欧メタルというエリア的限定のイメージを特定の音像に統合した作品でもある。その代表曲が表題曲であり、"Tonight I'm Falling"やバラード"End of Line"だろう。また"Forever Shine On"の構成力なども後のシンフォニック・メタルの雛形を作った曲かもしれない。特にTony Harnellの持つ力強いハイ・トーンと多用されるコーラスなども特徴として挙げられるだろう。またRonnie Le Tekrøが歌うクルト・ワイル風のオペラっぽい"An Ordinary Opera"やギター・オーケストレーション、ナスティーなグルーヴとQueenからの影響が非常に色濃い。リズム隊はMorty Black(b)とKenneth Odin(ds)からなる。


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M.E.



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