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Sunday All Over the World "Kneeling at the Shrine" ('91) Robert Fripp(g)にその奥方Toyah Willcox(vo)、そしてTrey Gunn(stick、vo)とPaul Beavis(ds)という布陣で製作された。この頃、兎角何をやるにもKing Crimsonのプロトタイプ的に見られたRobert Frippの活動だったように思われる。確か、これもKing Crimsonになる可能性があるかどうか、って話題になっていたような記憶がある。それだけKing Crimsonという名前に飢えていた、という事だろう。それだけの力をバンド名が持つ、というのが凄い話である。確かにそれだけの力を持つアルバムであることも確かだと思う。時にKate BushやLaurie Andersonあたりを思わせるToyah Willcoxのフェミニンなソプラノと歌詞に絡みつくように緊張感の高いサウンドを織成すRobert FrippとTrey Gunnの弦楽隊の活躍が素晴らしい。そして、確かにこのアルバムあたりから、「次」が見え始めたのも確かだろう。  
Richie Sambora "Stranger in This Town" ('91) "Slippery When Wet"('86)と"New Jersey"('88)のヒットによってその地位を世界的なものにしたBon Joviは過酷なツアー生活からの疲弊によりオフへと入る。そのオフ期間を使って製作されたのが本作。ギタリストのアルバムというよりはRichie Samboraというソングライターを押し出した作風。故にBon Joviからはそんなにかけ離れた作風にはなっていない。Bon JoviからはDavid Bryan(key)、Tico Torres(ds、perc.)、更にTony Levin(b、stick)が参加する。ライブでも確認できるようにRichie Samboraの地声のデカさはバックヴォーカル以上の威力があり、本作でもその強力な喉を披露している。また随所に女性バックヴォーカルも使用しているのも特徴だろう。Jon Bon JoviにしろRichie Samboraにしろカウボーイやジプシーといったモチーフを好んで使い、オープニングの"Rest in Peace"も西部劇映画のバックにながれるような荒涼としたサウンドが流れる。アコースティック・ギターの導入部から始まる"Ballad of Youth"はシングル・カットされた若かりし頃を歌ったハードなナンバー。"One Light Burning"のみRandy Jacksonがベースを担当。当時の映画に使われそうなバラード曲。Eric Claptonがゲスト参加した"Mr.Bluesman"ではEric Claptonにしては随分と性急なソロを聴かせる。スローハンドの異名を持つにしてはちょっと珍しいナンバーのように感じる。"Rosie"は"New Jersey"のボツ曲でまんまBon Jovi。ストリングスを配した"Father Time"はドラマティックなバラード曲。そして本編最後を飾るのはアコースティック・ギターでしっとりと歌う別タイプのバラード"The Answer"で締め括っている。日本盤にはJimi Hendrixの"The Wind Cries Mary"がボーナス・トラックとして収録。最後にスローな曲3連発ではあるが、最後のギター・ソロは聴きもの。



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M.E.



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