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Leon Russell and the Shelter People ('71) Leon Russellの音を聴いていると、サザン・コンフォートという言葉が浮かんでくる。レイド・バックしたサウンドの中、心地のよいグルーヴが全編に渡って響く。このアルバムに用意されたのは、アルバム・タイトルにあるDon Preston(g、key)を中心にJohn Gallie(organ)、Joey Cooper(g、vo)、Carl Raddle(b)、Chuck Blackwell(ds)によるThe Shelter People(Leon Russellが作ったレーベル、シェルター・レコードにひっかけたんだろう)だけでなく、名手Jesse Davis(g)、Don Preston(g)、Carl Radle(b)、Jim Keltner(ds)によるTulas TopsがBob Dylanの"It's Hard Rain gonna Fall"を担当。"Home Sweet Oklahoma"と"She Smiles like a River"はBarry Beckett(organ)、Jimmy Johnson(g)、David Hood(b)、Roger Hawkins(ds)というMuscle Shoals Swampers、そして、"Alcatraz"とGeorge Harrisonの"Beware of Darkness"ではFriends in Englandと名付けられたChris Stainton(g)、Jim Price(organ)、Carl Radle(b)、Jim Gordon(ds)が担当。更に映画"Joe Cocker, Mad Dogs and Englishmen"からお馴染み"The Ballad of Mad Dogs and Englishmen"を収録。ちょっと爬虫類が入ったLeon Russellの声とパーカッシブなピアノがお腹にずっしりと来る名盤中の名盤。Muscle Shoals Swampersの力強い存在感は流石である。そして、タブラ等のパーカッションを加えたインド風アレンジを強めた"Beware of Darkness"のオープニングは鳥肌モノ。因みにSpock's Beardのバージョンの下敷きはこちら。勿論"Song for You"という名曲を収めた1stも忘れてはいけない。  
Rainbow "Rising" ('76) Ritchie Blackmore(g)がRonnie James Dio(vo)をリクルートして組閣したRainbowの2nd。1stではRonnie James DioのバンドElfのメンバーを起用したが、今作ではRonnie James Dio以外はクビにしJimmy Bain(b)、Tony Carey(key)、Cozy Powell(ds 元Jeff Beck Groupなど)をメンバーに起用。よりプロフェッショナルなプレイと風格のあるサウンドを聴かせる。オープニングのスペーシーなTony Careyのキーボードから始まる"Tarot Woman"、Ritchie Blackmoreの特徴的なソロ、リズム隊が冴える"Starstruck"、Munich Philharmonic Orchestraをフィーチャーした、これでもかと盛り上げる一大叙情詩"Stargazer"から"Light in the Black"の流れは白眉。特にこの"Stargazer"はプログ・メタルの始祖のような曲といっても過言ではないだろう。Ritchie Blackmoreのソロも鬼気迫るものがある。プロデュースはMartin Birch。全曲Ritchie BlackmoreとRonnie James Dioによるもの。コンサート・マスターのFritz SonneleitnerってPopol Vuhの"Hosianna Mantra"に参加していた人と同一人物だろうか?
David Lee Roth "A Little ain't Enough" ('91) 個人的にDavid Lee Rothの代表作はこれ。リードギターにJason Beckerを迎え、Steve Hunterがリズムとスライドを担当。Brett Tuggle(key)、Gregg(ds、perc.)とMatt(b、vo)のBissonette兄弟というお馴染みの布陣。Jason Beckerの破壊力のあるギターとDavid Lee Rothの相性は素晴らしく良い。冒頭の表題曲からDavid Lee Roth節全開のハードロックなど正に好例だろう。Steve Hunterが醸しだすグルーヴもDavid Lee RothのR&B感溢れるヴォーカル・パフォーマンスと絡み極上の都会的なセンスを演出している。"Tell the Truth"や"Sensible Shoes"などのクールなシティ・ソウルな楽曲の出来が素晴らしい。"Last Call"はDavid Lee Roth流Aerosmithな感じのグルーヴが聴ける。そしてJason BeckerとDavid Lee Rothのコラボ曲"It's the Showtime"のド派手なパワーとこれぞエンターテイメントな世界の融合から、多彩なソロを聴かせるJason Beckerのギターが素晴らしい"Drop in the Bucket"で締め括られている。ここにDavid Lee Rothが提示したかったエンターテイメントの雛形が最高の形で完成した初のアルバム。



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M.E.



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