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Mark-Almond "Mark-Almond" ('71) | この盤の主役であるJon Mark(g、vo)と管奏者Johnny AlmondはJohn Mayall校長先生が興したBluesbreaker学校出身。この2人にThe Aynsley Dunbar Retaliationの"Blue Whale"などで共演経験のあるTommy Eyre(key)とRodger Sutton(b)が参加。ドラムレスの編成で仕上げる。オープニングの"The Ghetto"はアクの抜けたJoe CockerのようなJon Markの声にゴスペルの影響を打ち出しながらも、後に聴かれるような洗練された都会的感覚の萌芽がすでに聴き取れる。Johnny Almondは、時にリリカルな響きを持つフルートや激しいブローを聴かせるサックスと多彩なサウンドを持つ。ジャジーに響きはするが、やはり根底にあるのは、ブルーズだろう。ハイライトは組曲形式のA面、B面の2曲"The City"と"Love"だろうか。共に11分にも及ぶが、即興やソロを使うその展開に隙は全くない素晴らしい出来である。作曲は全て最後のRodger Suttonの書いた"Song for You"を除いて、全てJon Markによるもの。 | |
Mark McCrite "Getting to the Point" ('00) | 米産プログレッシブ・ロックバンドErik Norlander率いるRocket Scientistsのヴォーカリスト/ギタリストMark McCriteのソロアルバム。The Monkeesのカヴァー"Love is Only Sleeping"以外はMarc McCrite本人の手による楽曲で占められている("Closing the Door"と"They Say..."のみ歌詞に共作者がいる)。ドラムにTommy Amato、ベースにDerrick Anderson、パーカッションにGreg Ellis、オルガン、メロトロンにDave Kerzner、ピアノにVince Dicola等が参加。グルーヴ溢れるオープニングの"Can You Feel This?"からVince DicolaのピアノとGreg Ellisのパーカッションのセンスが良いバラード調の"Slip Away"、トラッド風バラードの"Sad Man's Song"から"So Long"への流れなど、ヴォーカリストMark McCriteをしっかりと堪能させてくれる。インスト"Strange Fortune"でさえ、ポップで明快なメロディーセンスを持っていることが判る良い例だろう。 | |
The Gary Moore Band "Grinding Stone" ('73) | Skid Rowを抜けた後のGary Mooreが組閣した初のリーダー・アルバム。Pearse Kelly(ds)、John Curtis(b)、Jan Schelhaas(key)をメインにPhilip Donnery(rhythm g)、Frank Boylan(b)が参加。ギター・クレイジーの異名を持つGary Mooreの渾身のプレイが溢れる盤となっている。表題曲のオープニング曲はホンキートンク調のピアノが転がるブギ調の佳曲。"Time to Heal"はSteve Mariottあたりを思わせる迫力のあるヴォーカルを聴かせる。こちらもブギーを基調にした70'sブリティッシュ・ハードの典型といえるかもしれない。"Sail Across the Mountain"はGary Mooreのバラードがこの頃から既に完成されていたのがよく判る作品。Jan Schelhaasのキーボードをバックに品の良いピアノ作品"The Energy Dance"から17分のもの大作"Spirit"へと流れ込む。ツイン・ギターの妙はThin Lizzyのサウンドを思わせるし、時に初期Santanaを思わせる激しいプレイが展開される。そして後半の始まりはまるでGenesisのような気品さえ感じるJan Schelhaasのプレイが白眉。最後はGary Moore流ブルーズ"Boogie My Way Back Home"で閉められている。 |