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Fleetwood Mac "The Pious Bird of Good Omen" ('69) |
緑神Peter Green(g、vo)とJeremy Spencer(g、vo)、Danny Kirwen(g)という3人のギタリストにJohn McVie(b)とMick Fleetwood(ds)という布陣。プロデュースはブルーズリヴァイヴァルの裏の立役者Mike Vernon。不思議な呪術的な雰囲気を醸し出すジャケットにブルーズの持つ「いかがわしさ」までも漂ってきそうだ。このアルバムは68年に発表された"Mr.Wonderful"と69年に発表された"English Rose"をミックスさせた編集盤っぽい。その為、アルバム構成には疑問が残りそうな配列となっている。オープニングナンバーに選ばれたのはR&Bの名バラード"Need Your Love So Bad"(Little Willie John作)。ストリングスをバックにしっとりとしたナンバーに仕立て上げられている。後に白蛇等もカバーをするのも頷ける深遠な叙情性を持つナンバー。シカゴブルーズの荒々しさを持つElmore Jamesの"Coming Home"に"The Sun is Shining"。またEddie Boyd本人が客演したナンバー"The Big Boat"と"Just the Blues"も収録。そして、全英1位を獲得したインスト"Albatross"。そして、初ヒットとなった"Black Magic Woman"と目白押しのナンバーが続く。ご多分にもれず、私もSantanaがオリジナルだとばっかり思っていた。というか…Santanaの嗅覚ってナニ?って感じですね。因みに"I Believe My Time ain't Long"も名曲。 | |
Mo Foster "Bel Assis" ('88) |
数々のセッションを渡り歩いた重鎮と呼べるMo Foster(b、key)の1stソロ作品。この作品に出会ったのは、Gary Moore(g)がクレジットにあったから。当時はGary Mooreが参加していたら、何でも漁ってもみたけど、中には個人的には合わない作品もあったが、この作品だけは今も愛聴盤として残っている。Gary Mooreが参加しているのは冒頭の"The Light in Your Eyes"と"Pump II"のみ。若干大人しい目だが、それも作品傾向を聴けば納得も出来る。メロディーが豊かなインス曲が並ぶ。ドラムにはSimon Phillips、上記の2曲以外ではRay Russellが肌理の細かいギターを聴かせる。Rod Argent(key)の品の良さやStan Sulzman(soprano sax)、Frank Ricotti(vibraphone)、Dave Defries(trumpet)、Sal Gallina(ele. wind insterument)の好サポートも外せない。"So Far Away"と"And then There were Ten"はRay Russellとの共作。それ以外はMo Fosterの作曲となっている。Mo Fosterの人柄が窺える優しさに溢れた音が聴ける。 | |
Fusion Orchestra "Skeleton in Armour" ('73) |
Jill Saward(vo、key、flute)、Colin Dawson(g)、Stan Land(g、key)、Dave Cowell(b)、Dave Bell(ds)からなる。バンド名からは想像も付かないぐらいハードでごった煮な音像。Jill SawardのヴォーカルはBabe RuthのJanita Haan辺りと近いシャウター。フルートはIan Andersonを彷彿とさせる荒々しいブロー。12分弱の"Sonata in Z"がやはり象徴的かもしれない。R&B的なタフネスを持つJill Sawardのヴォーカルから、いきなりジャジーなピアノが曲を占拠、再びJill Sawardが戻ってくるとブルージーなセクションに飛び込み、ツイン・ギターで情緒を出すとフェード・アウトした直後にフェード・インでファンキーな剛健なリズムにギターが絡む。ブルース・ハープが舞い終わりに近づくといきなり「月光」で締め括る(それでソナタ?)、というかなり力技で寄り切る豪快且つ強引な展開を持つ曲。その他にもホラー的な歌詞を持つ表題曲、シングルカットされたホーンが活躍する"When My Mama's not at Home"はタイトル通りのガーリーで可愛い曲(この曲のピアノはプロデューサーのJeff Jarratt)。アルバムの最初と最後にある"Fanfairy Suite for 1000 Trampits"はプロデューサーのJeff Jarratt作とあるので、演奏もJeff Jarrattかもしれない。Jill Sawardは後にShakatakで活躍。現在、Colin DawsonがFusion Orchestra 2として活動している模様。 |