Les Claypool

Les Claypool



Sausage "Riddles are Abound Tonight" ('94)Jay Lane(ds)、Todd Huth(g、vo)にLes Claypool(b、vo)というラインナップによるバンド。この編成は80年代中期のオリジナルPrimusにあたるPrimateと同じメンバー。Primus同様、Les Claypoolのバキバキ言うベースと独特のアクの強いヴォーカルが曲を引っ張っていくもので占められている。"Toyz 1988"はタイトル通りPrimusの"Frizzle Fry"に収められていた"The Toys Go Winding Down"のオリジナル・ヴァージョンなのだろう。あちこちにPrimusで聴けたアイディアなりが顔を出すところが、ストレートに当時の曲をそのまま発展させた様が窺える。例えば独特のグルーヴを持つ佳曲"Shattering Song"などに見られるように本作はジャム的な雰囲気を持つ曲が多い。"Temporary Phase"の最後にもジャムっぽいセクションがある。それだけ、プレイヤーの自由度が高い曲構成、ということなのかもしれない。作曲は全てSausaga名義。作詞はLes Claypoolとなっている。Primusファン必携のアルバム。
Les Claypool and the Holy Mackerel "Presents Highball with the Devil" ('96)僅かなゲストを迎えただけで殆どのパートを一人で録音してしまった実質Les Claypoolのソロ作。一人で作り上げてしまった割には作り込まれること無く、生々しいサウンドが身上。得意のリード・ベースも矢張りLes Claypoolもメロディーの人なんだな、と再認識させられる。"Holy Mackerel"ではJoe Goreをギターにギター・ソロにMark Haggard(M.I.R.V.)、ドラムにJay Lane(Ratdog)を迎えている。このギター・リフといいソロといいDiscipline Crimsonを思い起こさせる。Mark Haggardのテケテケ言うギターがサーフ・ミュージックの趣を持つ"Hendershot"や弓を使ってヒステリックなサウンドを出す"Cohibas Esplenditos"とMark Haggardの活躍が目立つ。ノイジーなサウンドを持つ"Delicate Tendrils"をバックにするナレーションはHenry Rollinsが担当。ドラムとベースのみのインスト曲"The Awakening"はThe Reddingsのカヴァー(The Reddingsはその名の通りOtis Reddingの息子達によるファンク・ユニット)。こういう選曲のセンスも素晴らしい。その他にPrimus本体を思わせるサウンドを持つ"Me and Chuck"と"Carolina Rig"がインスト曲。唯一無二の世界観を持つ作品。
The Les Claypool Frog Brigade "Purple Onion" ('02)ズリズリと這い回るLes Claypoolのベース音で始まる本作はColonel Les Claypool's Fearless Flying Frog Brigadeで一緒だったEanor(g)、Jay Lane(ds)、Skerik(sax)の他、Skerikと活動を共にするMike Dillon(perc.)を抜擢。またGov't MuleのWarren Hayes(g)、Les ClaypoolがプロデュースしたGabby LaLaことGabby Lang(sitar)などファミリー総出のアルバム。ハードボイルドな雰囲気を持つ"Ding Dang"、疾走感が素晴らしいインド風味が効いた"Cosmic Highway"の期待を裏切らないアレンジが素晴らしい。また、特筆すべきはMike Dillonの多彩なチンドン屋風のセンスはSamla Mammas Mannaあたりを思い起こさせる。Les Claypoolのサウンドに対する姿勢がよく表れた作品。傑作。
"Of Whales and Woe" ('06)意外にもLes Claypool名義としては初のソロ・アルバム。Les Claypoolはベース以外にもギター、ドラム、バンジョーと持つがそれでも矢張りベースの人。ベース万華鏡と言える程多彩なサウンドを叩き出す。本作でもMike Dillon(marimba等)、Skerik(sax等)、Gabby La La(theremin等)といったお馴染みのメンバーがサポート。Cage、Lena という子供達がパーカッション、マリンバを担当したオープニング・ナンバー"Back Off Turkey"は逆回転なども使いながらLes Claypoolらしい妖しいグルーヴ満載。"One Better"、"Phantom Patriot"、"Nothin' Ventured"ではLes Claypool、Mike Dillon、Skerikというトリオで、このトリオでないと出ないシャープなグルーヴにMike DillonはやはりSamla Mammas Manna流。表題曲"Of Whales and Woe"と最後の"Off-White Guilt"ではGabby La Laを加えて更に混沌としたグルーヴが渦巻く。愛情たっぷりの"Iowan Gal"(奥さんの事)と同名TVアニメ番組のオープニング"Robot Chicken"のみLes Claypool一人録音となっている。ソロ名義に相応しいLes Claypoolのサウンド嗜好がばっちり掴める名盤。


Others



Oysterhead "The Grand Pecking Order" ('01)Les Claypoolがフェスに参加するためにPhishのTrey Anastasio(g)と元The PoliceのStewart Copeland(ds)に声をかけ結成したバンド。元々はそのフェス限りのライブ・バンドを組閣するつもりだったらしいが、オリジナル曲がどんどん出来上がりアルバム製作に踏み切ったよう。そんな逸話にうなずけるほどにこの3人のケミストリーは素晴らしく、3人が得意とするであろう即興性、多様性に加え構築美がしっかりと刻まれた作品。力強く粘りのあるLes Claypoolのベース音、Trey Anastasioのいなたい素朴なサウンドがある一方でサウンドの壁を作り上げてしまう幅の広さ、Stewart Copelandの引き出しの多いドラミングといった要素一つの流れに乗って醸し出すグルーヴが自然と体を揺り動かす。冒頭の"Little Faces"、"Oz is Ever Floating"からバンドのテーマ曲となる"Mr.Oysterhead"への流れが素晴らしい。後半、日本語が歌われる(これもLes Claypool?)"Army's on Ecstasy"の展開、カントリー調の"Birthday Boys"、まるでクラブ仕様のサウンドを持つ"Wield the Spade"、ノベルティ・ソングのような表題曲と、曲の振幅がメチャクチャ広い。名盤なのは当然。
Colonel Claypool's Bucket of Bernie Brains "The Big Eyeball in the Sky" ('04)元々02年のBonnarooフェスでPraxisとして来ていた出る予定だったBernie Worrell(key)、Buckethead(g)とBrain(ds)だったが、Bill Laswellが演奏出来なくなったところをLes Claypoolが3人を招待してステージでジャムをしたところからこのプロジェクトが動き出したよう。本作はインスト3曲を含む全11曲。特にインスト曲にこのプロジェクトの持つ特異性が表れているような気がする。Primusでお馴染みのLes ClaypoolとBrainの生み出すグルーヴに、Bucketheadのノイジーなギター、そしてBernie Worrellのキーボードが多彩な色を加える。"Elephant Ghost"はスペーシーなムードさえ持つジャム感覚のインスト曲。"Scott Taylor"はBernie Worrellのオルガンが引っ張るインスト。意外とBucketheadの奏でるギターがスクウェアな感じ。"Jackalope"はLes Claypoolのベースを軸にBucketheadのユーモアも含むギタープレイとBernie Worrellのキーボードが、このプロジェクトのみが持ち合わせる独特なグルーヴを作る。因みに"Hip Shot from the Slab"と表題曲での女性バックアップヴォーカルはGabby La La。


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