Solo etc.

Still "Always Almost" ('96) Echolyn解散後、Brett Kull(vo、g)、Paul Ramsey(ds)、Ray Weston(vo、b)のトリオで製作された作品。出た当初は中途半端なハードロックな作品に聴こえていたが、再結成後のEcholynを聴いた後だと、非常に面白いバランス感覚を持った作品だったのが判る。ハードロックに突き抜けることもなく、アメリカン・ロック的なイディオムを持ちながらもキャッチーにもならず、バンジョーを使っても泥臭くも埃っぽくもならず、微妙なバランスの上に立っているのは再結成後のEcholynにも通じるところがある。どこかメランコリックな作風が全編を覆っている。"Clearer the End"などはBeatles的なハーモニーもあり興味深い。特に"Know It No"のような曲に再結成前と後のEcholynのミッシング・リンクがあるような気がする。意外とEcholynファンには重要作。最後の最後にカントリー風な題名のない曲が収められている。
Always Almost "God Pounds His Nails" ('97) 実質Stillの発展形、というか後継バンドAlways Almostの作品。メンバーはStillにゲスト・キーボードプレイヤー陣のJohn Avarese(Cinderellaの作品などに参加)、Pat Strawser、Joe Stout(プロデューサー業で有名)やGeoff Logsdon(jaw harp)が参加。前作の反動か、Beatles的なメロディー(オープニングの"Pretty Fine Day"や"While I was Away"などに顕著)やノスタルジックなサウンドがあちこちに配された作品に仕上がっているように感じる。それは例えば"Tread On"のまるでKing Crimsonの"In the Court of the Crimson King"を思わせるようなスキャットの後に出てくるオールディーズの"Try to Remember"が流れたり、ジャジーなバラード"Bitter"、Led Zeppelin的なアコースティック・ギターの使い方が印象的な"Greater Sea"、バンジョーが静かになるインスト"West Point"、と言ったところに表れているように思える。その一方、まるでEcholynに収められていてもおかしくないような"React Me"、"In Need of Shaking"といったナンバーまで多彩な曲が用意されている。最後にGentle Giantの"Aspiration"のスタジオ・ライブが収められている。
Brett Kull "Orange-ish Blue" ('02) ドラムにPaul Ramsey、ピアノ、シンセなどにChris BuzbyとEcholynのメンバーがヘルプに。基本的にBealtesからの影響が強いちょっとサイケ色もある上質なポップ・ソング集。再結成後のEcholynが好きなら、こういう音世界は馴染めるのではないだろうか。ストリングスを入れたバラード"All the Rage"や"Sometimes Love Forges"、女性ヴォーカリストMolly Deckerを入れた"So It Goes"、"15 Hours"、"Untitled #1"、"I won't Say Goodbye"などが用意されている。派手さは一切なく、ノスタルジックなサウンドが支配的。どこか懐かしい薫りに満たされている。全13曲。歌詞などでGreg Kullが参加。
Ray Weston "This is My Halo" ('03) 全体的に暗い。モチーフから何から何まで基本的に暗い。多少のひねりはあるものの、基本的にシンプルでダークなシンガーソングライター・タイプ、といった感じ。Ray Westonによると"Why Now"、"Idle Hands"、"When I Fall"と"Lonesome Secrets"にはストーリーがある。リハビリを受けた男性(麻薬かアルコールか何かしらの)がある香水をつけた女性と通りすがった直後にリハビリで治ったはずの狂気が表れてその女性を襲い、殺してしまう。そして、その男性はそれを悔やみ、自殺をしようと線路に立ち入り電車に轢かれる。電車に轢かれるその瞬間、頭蓋骨が砕けた時に、罪の許しも粉々に砕け散る、という話。EcholynからBrett KullとPaul Ramseyが参加。"Lonsome Secrets"のハモンドはJoe Stoutによるもの。"This is My Halo"のストリングスはSol Flaxmanのアレンジと演奏による。
Brett Kull "The Last of the Curlews" ('08) ドラムに盟友Paul Ramseyを迎えた他はプロダクションも含めて全てBrett Kullが行った作品。その他はMolly Deckerを初めとする女性ヴォーカリストがバックヴォーカルで参加。冒頭の"Acadia Gulls"からPink Floydを思わせる音空間に驚く。基本はシンガーソングライター・タイプのオルタナ・ポップスを主軸とした感じのサウンド。ポップな曲調ながら、飽きさせないBrett Kullならではのセンスの良さがそこかしこに用意されている。最後の"Windows of Light"の静謐さは感動的でさえある。シンプルネスの中にあるサウンドの妙技が嬉しい。これは、名盤。

 

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